2024年04月19日( 金 )

コンパクトシティ・福岡の交通手段に、シェアサイクルという選択

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neuet(株) 代表取締役
家本 賢太郎 氏

 2020年4月、福岡市内で展開されてきた「メルチャリ」がサービス名を変更し、シェアサイクル「チャリチャリ」がスタートした。運営を手がけるのは、neuet(ニュート)(株)で、同社の親会社・(株)クララオンラインがメルチャリ事業の一端を担っていたことが、メルチャリを承継するきっかけだったようだ。すでに、福岡市内中心部では「Chari」と書かれた赤い自転車を至るところで見るようになった。チャリチャリの現状と今後の展望などについて、neuetの家本賢太郎社長に話を聞いた。

代表取締役 家本 賢太郎 氏
代表取締役 家本 賢太郎 氏

    ──最初に福岡を選んだ理由について、お聞かせください。

 家本 コンパクトシティといわれる福岡市は、自転車での移動に適しています。また、元気なまちで一日中人が動いている。シェアサイクルビジネスは、人が動いていないと成り立ちません。朝と晩は通勤・通学での利用が多いのですが、昼間も外回りなどで多くのご利用をいただいています。

 福岡では現在、1回の利用で平均ライド距離は2kmくらいです。公共の交通機関も併用して、家から駅まで、もしくは、駅から会社や学校までにチャリチャリを利用してもらうケースが多いようです。将来的には50mごとにポートがあるようになったら、もっと便利になると思っています。

チャリチャリ ポート    ──チャリチャリがほかのシェアサイクルと違う点を教えてください。

 家本 まずは、全ポートの約30%が集合住宅にあることです。一般的なシェアサイクルポートは、ほとんどが公園や道路にあり、1つのポートで20~100台設置されているケースが多いようです。チャリチャリは1つのポートに5台とか6台と、コンパクトなところが特徴です。大規模なポート1つより、小さなポートを複数設けるほうが、生活には便利であるという考えです。これがある程度認知されてきたのか、近所のコンビニにポートを設置してほしいとか、アパートオーナーさんが自分のアパートに設置してほしいなど、引き合いをたくさんいただくようになりました。

 ──チャリチャリの現状と今後を教えてください。

 家本 福岡市内だけで、自転車の台数は2,500台、登録アカウント数29万ユーザー、ポート数430カ所、ライド数1万4,000回/日、ライド時間15万分/日、累計ライド数は600万回です。平均すると、1台あたり1日に6~7回利用されている計算になります(2021年11月現在)。

 福岡市とは共同事業として取り組み、市役所などにポートを設置しております。これからも交通インフラの1つとして継続していけるように考えています。おかげさまで、コロナ禍でもライド数は増加傾向で、2021年は前年比150%と好調に推移しております。

 今後は、東区千早など、駅からの移動手段が少なく周辺エリアが広いところへの進出を図っていきます。我々が進出することで、渋滞緩和にも貢献できると考えています。23年までに自転車台数は4,000台、ポート数は500カ所に拡大していく計画です。

福岡市内のポート
福岡市内のポート

【外部ライター・奥野 晃一】

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