2024年04月19日( 金 )

【JA福岡中央会】農業×SDGsで支える持続可能な暮らし、担い手育成で地域産業の中核へ

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JA福岡中央会 代表理事会長
乗富 幸雄 氏

私たちの食卓を支える農業

JA福岡中央会 代表理事会長 乗富 幸雄 氏
JA福岡中央会 代表理事会長
乗富 幸雄 氏

    ──世界中がコロナ禍にあえぐなか、“買い負ける日本”の姿が浮き彫りとなり、改めて国による国消国産(※1)の重要性が増しています。

 乗富 私は農家の長男として生まれ育ち、JAに就職しました。農業を内と外の両側から見つめることで、多くのことを学ばせていただきました。お世話になった農業に、少しでも恩返しがしたい。この思いが活動の原動力になっており、だからこそ日本の農業を取り巻く現状には、強い危機感を抱いています。

 たとえば、日本の食料自給率(カロリーベース)は37%で、主要先進国のなかで最低水準です。食の大部分を海外に依存している状況であり、国内では農業に対して「労力の割に稼げない」というイメージを持つ人も少なくありません。農業の趨勢は国の食料安全保障に関わる問題でもありますので、まずは農作物のブランド価値向上による農業者の所得増大を達成することで、農業に対するイメージの刷新、ひいては新規就農者の獲得につなげていきたいと考えております。そのためにも、生産者から消費者まで、幅広く農業の現状や業界の取り組みを伝える運動を展開していかなければなりません。

 ──JAは組織としての規模も大きく、金融や不動産など事業も多岐にわたるため、やれることは多そうです。

 乗富 JAは農家同士の助け合い、相互扶助の精神からスタートした組織です。生乳廃棄がニュースで取り沙汰されましたが、生乳の生産者が困っているときは地域の枠を超えて支えるといったふうに、一体感をもって行動を起こしていくことが、今後より一層大切になっていくと思います。

 こうした支援体制の充実は、就農を検討している人の背中を押すはずです。とくに若い世代に農業に参入してもらうために、JAでは就農を考えている人向けに、トレーニングファームを設置し、農業技術から経営方法まで、実践的に学べる場を提供しています。設備も整っており、農業経験のないサラリーマンの人も元気にイチゴ、トマト、アスパラガスを育てています。

 JAの持つ物的・人的資源を活用した就農後のアフターフォローによって、新規就農者の定着にも注力しているわけです。

※1 国消国産:「国民が必要とし消費する食料は、できるだけその国で生産する」という考え方。とくに、食料安全保障の強化、食料自給率の向上等について、JAグループ独自のキーメッセージとして提起するもの。 ^

【代 源太朗】


<プロフィール>
乗富  幸雄
(のりとみ・ゆきお)
1951年生まれ。福岡県みやま市出身。2014年6月、JAみなみ筑後代表理事組合長に就任。20年6月にはJA福岡中央会代表理事会長に就任し、JA全農経営管理委員会副会長、JA全農ふくれん運営委員会会長も務める。

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