2024年04月20日( 土 )

かしいかえん跡は何ができる?跡地利用考察(後)

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依然として再開発停滞、箱崎キャンパス跡地

周辺で土地区画整理事業が進む貝塚駅
周辺で土地区画整理事業が進む貝塚駅

 東区での大規模再開発を語るうえで、避けては通れないのが、九州大学箱崎キャンパス跡地の再開発だろう。ただし、本誌でも事あるごとに触れてはいるが、周辺エリアも含めて約50haもの広大な同跡地の再開発に向けては、21年8月にまちづくりに係る土地利用事業者の公募時期の再延期が発表されて以降、現在もまだとくに新たな動きは見られない。再開発に向けての基盤整備事業は23年3月末までの工期予定で現在も順調に進んでいるようだが、その後の動きはまだ白紙のようだ。

 そうしたなか、福岡市では2月1日から2週間の期間で、「貝塚駅周辺土地区画整理事業」の第1回計画変更案の縦覧を実施した。同事業計画案は、当初は21年3月に公告されたもので、主に貝塚駅(福岡市地下鉄/西鉄)および新設予定のJR新駅の駅前広場や、エリア内の道路・公園・緑地などの再配置に関するもの。施行面積は約23.4haで、同事業の道路造成等詳細設計業務は、地場建設コンサルタント会社の第一復建(株)が担当している。貝塚駅の西側に設けられた駅前広場からは国道3号に向けて幅員14mの新たな区画道路が整備されるほか、その道路によって既存の貝塚公園が南北に分割。また、貝塚駅とJR新駅との間を広場等でつなぐことで、交通結節機能の強化が図られている。今回縦覧が行われた第1回計画変更案では、それに微修正が加えられているが、大きな変更は見受けられない。

 貝塚駅周辺土地区画整理事業の事業施行期間は、事業計画の決定を公告した日から2029年3月末(清算期間を除く)までを予定している。今後、同事業計画の進行とともに、箱崎キャンパス跡地の再開発に向けた何らかの動きが出てくることを期待したいところだ。

再開発で教育熱はさらに高まる

 福岡市東区を含む第4学区のトップ校は、言わずと知れた福岡御三家の1つ・福岡高等学校だが、その合格者の半数以上が学習塾・英進館出身だという(21年実績で53.5%)。同社の常務取締役・西山明氏に、東区の教育事情について聞いた。

英進館 香椎本館
英進館 香椎本館

    「当社は、東区では小中学部4教場、高等部3教場の運営を行っています。福岡市内でも人口が多い東区には、創業当初より注力してきました。とくに香椎本館は隣接する新宮町や福津市、博多区と広い範囲から数多くの生徒が通う大規模教場です。多くの生徒が通って来てくれることで細かいクラス分けが可能となり、学力が近い生徒同士で切磋琢磨できる環境を実現しています。近年、福岡市東区では千早駅周辺やアイランドシティ周辺の人口が目立って増加しています。多くの世帯が流入することによって、教育水準も高まっており、当社に求められることも大きくなってきたように実感しています。さらにこれから、九州大学箱崎キャンパス跡地の再開発が進んでいくことによって人口増が見込まれ、教育に対する熱量もより高まっていくことでしょう。再開発でエリアの魅力がより高まっていくことに、我々としても期待しています」(西山氏)。


英進館(株)
代 表:筒井俊英
本 社:福岡市中央区今泉1-11-12
    英進館総本部ビル
TEL:092-715-7788
在籍生徒数:(2022年冬期):3万8,000人
香椎本館:福岡市東区香椎駅前2-4-22
     河邊ビル2~7F
照葉校 :福岡市東区香椎照葉6-6-1
     アイランドアイ内商業B棟2F
舞松原校:福岡市東区舞松原1-10-6
新宮校 :福岡市東区和白丘4-17-1

【坂田 憲治】

(中)

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