2022年05月19日( 木 )
by データ・マックス

【福岡・ベイエリア】きっかけ次第では“化ける”か(前)

国営公園では全国初開業「海の中道Park-PFI」

 3月15日、パーク・ツーリズムをテーマにした滞在型レクリエーション拠点として、国営海の中道海浜公園内の「光と風の広場」がリニューアルオープンした。

 パーク・ツーリズムとは、“公園そのもの”が観光の目的地となる取り組みのこと。今回のリニューアルでは、公園を楽しむこと=旅ととらえ、海の中道海浜公園の豊かな自然や公園全域の魅力的な既存コンテンツといった要素に、「憩・学・遊」すべてが楽しめる多種多様なコンテンツなどを掛け合わせることで“非日常”空間を創出。公園を最大限に楽しむ仕掛けを施すだけでなく、公園を起点に、地域固有の魅力を文化的交流や体験型コンテンツによって伝えていくことを提案している。

巨大アスレチックタワー「シー・ドラグーン」
巨大アスレチックタワー「シー・ドラグーン」
公園一体型宿泊施設「INN THE PARK 福岡」
公園一体型宿泊施設「INN THE PARK 福岡」

    新しくなった「光と風の広場」では、その目玉施設として“泊まれる公園”をコンセプトとする公園一体型宿泊施設「INN THE PARK 福岡(イン・ザ・パーク福岡)」が九州初上陸した。同宿泊施設では、公園に泊まることをダイレクトに体感できる球体テントやグランピングなど全4タイプ・30棟のほか、飲食施設や温浴施設を整備。博多湾や玄界灘から至近で、朝日や夕日、福岡市外の夜景などを臨むことが可能で、幻想的で非日常な自然空間の演出がなされている。また、九州初かつ国内最大規模の巨大アスレチックタワー「シー・ドラグーン」もお目見えした。これは、フィールドアスレチックをタワー状に配置した体験型アトラクションで、92種類のアスレチックアイテムを設置。空中散歩のような自転車、クライミング、空中ピクニックなどのアクティビティを楽しめるほか、高さ16.8mの絶景展望デッキから博多湾や玄界灘を一望することができる。これら2つの常設施設を基盤として、海浜部を活用したカヌーやSUP、ホーストレッキングなど、多種多様なアクティビティを組み合わせて展開。また、公園内を周遊できる電動キックボードや園外の足となるレンタサイクル事業にも取り組むことで、園内外の地域全体への賑わい創出に寄与していきたいとしている。

 今回のリニューアルは、国土交通省九州地方整備局(以下、九地整)が「Park-PFI制度」を活用した「海の中道海浜公園官民連携推進事業」として進めてきた。2019年3月に新たな官民連携の取り組みを推進することを目的に、九地整が「官民連携による魅力向上推進方針」を策定。同年8月から民間事業者の公募を行い、20年1月に三菱地所(株)を代表企業とし、積水ハウス(株)、(一財)公園財団、(株)インザパーク福岡で構成される「海の中道パーク・ツーリズム共同事業体」が選定された。その後、21年5月に公募設置等計画の認定を経て、同年7月に着工。そして今年3月にリニューアルオープンを迎えた。国営公園でのPark-PFI制度の認定は「淡路島 国営明石海峡公園」(20年11月認定)が先だったが、開業としては今回の海の中道海浜公園が日本初となる。

 共同事業体のなかでは、三菱地所が全体統括を行うほか、建設・運営を積水ハウス、アクティビティ企画・施設管理運営を公園財団、宿泊施設運営をインザパーク福岡がそれぞれ担当する。今後は、パーク・ツーリズムをコンセプトに目的性の高いアクティビティをさらに拡充していくほか、“音楽の街”福岡にふさわしい、音楽をテーマにしたさまざまなコンテンツやイベント、アーティスト支援プログラムなどを展開していく予定。また、周辺事業者や周辺地域との連携イベントなども積極的に展開し、地域活性化につなげていくとしている。

 なお、同事業の事業期間は計画認定から20年間となっているため、2041年1月までに運営を修了し、同年5月には更地返還される予定となっている。

Park-PFI制度

 2017年の都市公園法改正により新たに設けられた、飲食店や売店などの公園利用者の利便の向上に資する公募対象公園施設の設置と、当該施設から生ずる収益を活用してその周辺の園路、広場などの一般の公園利用者が利用できる特定公園施設の整備・改修などを一体的に行う者を、公募によって選定する「公募設置管理制度」のこと。都市公園における民間資金を活用した新たな整備・管理手法として、制度が創設されて以降、採用事例が増えている。
 福岡県内では、Park-PFIとして全国初の事例となった「勝山公園」(北九州市小倉北区)のほか、天神中央公園西中洲エリアの「HARENO GARDEN EAST&WEST」(福岡市中央区)、「大濠テラス」(福岡市中央区)などがある。

【坂田 憲治/代 源太朗】

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