過去の事例に見る JT工場跡の再開発
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JT九州工場が2022年3月末で閉鎖された。閉鎖後は関係者らによる整理活動が行われており、工場跡地の活用方法については未公開(22年4月13日現在)となっている。これまで全国で複数のJT工場が閉鎖されたが、主な跡地の活用実績について見てみよう。
広大かつ好立地
日本たばこ産業(株)(以下、JT)は、民営化した1985年時点で全国34工場を所有していた。その後、たばこ市場の縮小に合わせて、段階的に生産能力を縮小するため、各工場の閉鎖を進めてきた(表)。JT工場は中心地から少し離れているが、好立地に多い。そのため、各地のJT工場の閉鎖が決定されると、その跡地活用に関心が集まる傾向にある。
2022年3月末には九州工場(福岡県筑紫野市)が閉鎖し、九州地区のすべての工場が廃止された。同工場跡地は筑紫野市の住宅街の中心地にあり、工場敷地面積は16万5,886m2(約5万180坪)となっており、広大な土地の行く末に注目が集まっている。
では、これまで閉鎖されてきた他エリアのJT工場跡地は、どのように生まれ変わったのだろうか。以下、一部の例を紹介する。
【鹿児島市】
街を代表する分譲マンションと市立病院
05年3月末に閉鎖された鹿児島工場は、東西2つの土地に分かれていたが、閉鎖後の07年に東側を鹿児島市、西側をJR九州がそれぞれ取得していた。いずれも鹿児島の主要駅である鹿児島中央駅から徒歩15分圏内の好立地だ。
鹿児島市が取得した東側の土地は、JR鹿児島中央駅から南へ約1km付近の鹿児島市上荒田に位置し、鹿児島大学に隣接している。同跡地の敷地面積は6万8,926m2(約2万850坪)。ここにはその後、当時老朽化が懸念されていた鹿児島市立病院(約4万4,600m2)と鹿児島市交通局(1万2,800m2)が建設され、そのほかの土地は「上荒田の杜公園」(約1,200m2)として整備された。鹿児島市の土地取得金額は81億5,000万円。
一方で、JR九州が取得した西側の土地の敷地面積は、約2万2,161m2(約6,703坪)。同地には19年4月に、九州最大級の分譲マンション「MJRザ・ガーデン鹿児島中央」が竣工された。同マンションは地上14階建で総戸数472戸、建築面積は4,653.91m2。
【麓 由哉】
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