経営者が知っておくべきDX「人財とDX」
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DX(デジタル・トランスフォーメーション)を実践的にビジネスで取り組むためには、何が必要なのでしょうか?
今回は、前回(vol.45/2022年2月末発刊)の「組織」に続いて、「人財」という観点から読み解いていきます。
DXでは、X=変革が重要であり、D=デジタルはその手段でしかありません。そして組織においては、透明性・俊敏性・全体性を高めていくことが重要となることは前回お伝えしました。
では、この組織を根底で支える人財には、何が求められてくるのでしょうか。ここではリテラシー(能力)とコンピテンシー(行動特性)の2つの側面から整理してみます。
まず、リテラシーの観点では、以下の3つが最低限求められます。
①情報リテラシー
必要となる情報を集め、真偽を見分け、適切に道具を使い、整え届けるための基礎能力です。いわゆるITは、使いこなすべき道具の1つです。②コミュニケーション
相手に対して価値を分け合う気持ちをもって、意図を示し、場をつくり、相手の話を受け取り、相手に情報だけでなく想いも含めて届けるための基礎能力です。③思考技術
広い視野をもって深く探求し、先入観などに囚われることなく発想して、それを実現するために試行錯誤するための基礎能力です。行動するための源泉でもあります。そして、リテラシーを活かすためのコンピテンシーとしては、次の3つが求められます。
A)真摯な学習
日々謙虚に真摯に学び、気づきを得て、行動に生かしていく習慣を築いている状態です。学びの機会に対する積極性も重要になります。B)誠実な地道さ
安易に結論付けたりせずに誠実に物事に向き合い、地道に物事を継続して積み上げていく姿勢です。持続可能な取り組みには、不可欠な要素です。C)客観と主観のバランス
冷静に客観的に状況を把握しつつ、一方で主観的に自分の想いを表現して行動するバランス感覚をもっている状態です。いわゆるリーダーシップの在り方です。そして何より、「挑戦を楽しめるマインド」が重要になります。DXには困難が必ずあり、その現実に向き合い、周囲を巻き込んで、創造的に取り組み続けるためには、この“楽しさ”が大きな武器になります。そして楽しさは“もっとやってみよう”という成長意欲にもつながります。つまりDXは、楽しめる人財が組織として機能したときに、成果につながるのです。
<プロフィール>
渋谷 健 (しぶや・たけし)
フィールド・フロー(株) 代表取締役
外資系コンサルティングファーム、国内ベンチャー、国内大手企業経営戦略室を経て2014年にフィールド・フロー(株)を設立。「事業に脚本を」をコンセプトに、戦略立案からシステム開発や人財育成までを総合的に提供するオープン・イノベーション実践活動を全国展開。経済産業省・農林水産省などの政策事業、北九州市・宮崎県などの地方創生事業、大企業・金融・ベンチャーなどの民間事業に、プロの事業プロデューサー/ファシリテーターとして関わる。月刊誌 I・Bまちづくりに記事を書きませんか?
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