ららぽーと開業で変わる!?博多SOUTHと南区・大橋(3)
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もう1つの大規模再開発か?アサヒビール博多工場跡
博多SOUTHにとって今年、ららぽーと開業以外に大きなニュースが1つあった。それは、竹下3丁目にある「アサヒビール博多工場」が25年度末をもって操業を終了するというものだ。
アサヒビール博多工場は、1921(大正10)年4月に大日本麦酒(株)(現在のアサヒビールやサッポロビールなどの前身)の博多工場として操業を開始したのが始まり。昨年4月に操業開始100周年の節目を迎えたばかりの、福岡市内でも有数の老舗工場だ。同工場ではこれまで、九州全県および山口県を出荷エリアとして、アサヒスーパードライやクリアアサヒ、アサヒ スタイルフリーなどを製造。年間生産量は約1,753万箱におよぶという。その博多工場について、アサヒビール(株)の持株会社であるアサヒグループホールディングス(株)は、今年2月15日付で発表した生産・物流拠点の再編計画のなかで、25年度末をメドに操業を終了させ、近隣へ移転するという予定を示した。今後、26年から「新九州工場(仮称)」として操業開始するための準備を進めていくといい、現在の博多工場の従業員については、移転先の新九州工場(仮称)を主とした配置転換を実施。操業終了後の博多工場跡地の活用および移転先については、検討中だとしている。
博多工場の敷地は約12haと、青果市場跡地(ららぽーと福岡)の約8.7haを上回る面積を誇る。民間企業の所有土地である以上、その跡地活用についてはアサヒビールの意向次第ともいえるが、使い方によっては、さらなるインパクトを博多SOUTHにもたらすことができるかもしれない。
ただし、工場のすぐ北側には沖学園高等学校が隣接しているほか、工場南側に接道する竹下通りは片側1車線と狭い。JR竹下駅からは徒歩3分と近いものの、車などでアクセスしようとすると混雑必至だ。また、工場敷地の一角には、福岡市内でも最大規模の前方後円墳「東光寺剣塚古墳」が存在しており、その保存・活用などの課題もある。いくら広大な敷地といっても、ららぽーと福岡のように敷地面積ギリギリまで施設を配置する開発は難しいのが現状だ。
とはいえ、やはりこれだけの広大な工場跡地であるから、何かしらの魅力ある再開発を期待したいところ。ららぽーと福岡からの距離も約900mと近く、大規模再開発によって何かしらの集客施設などが誕生すれば、間に挟まれたJR竹下駅前や、博多SOUTH全体の活性化につながっていくに違いない。
(つづく)
【坂田 憲治】
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