2024年03月29日( 金 )

ららぽーと開業で変わる!?博多SOUTHと南区・大橋(4)

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意外とららぽーとに近い副都心・南区大橋エリア

西鉄大橋駅
西鉄大橋駅

    さて、ここまでは博多SOUTHについて述べてきたが、ららぽーと開業による影響が色濃いと思われる、もう1つのエリアについて述べておこう。以前、本誌vol.26(20年7月末発刊)でも触れたことのある、南区・大橋エリアだ。
 西鉄天神大牟田線・大橋駅を中心とした大橋エリアは、南区役所を擁する南区の中心市街地であり、福岡市都市計画マスタープランにおいては南部広域拠点として、副都心に位置付けられている。また、九州大学芸術工学部(旧・九州芸術工科大学)や福岡市公立高校“御三家”の一角である筑紫丘高等学校などが立地する文教地区であり、交通アクセスや住環境の良さを背景にした人気の住宅地だ。また、駅を中心に多数の商店・飲食店が軒を連ねる商業街でもある。かように多彩な顔をもつ大橋だが、その一方でまちとしては突出した特長がないのが特徴であり、さまざまな要素が“それなりに高いレベル”でオールラウンドに備わっているのが強みだと評したことがある。

 その大橋だが、実はららぽーと福岡まで(大橋駅から)直線距離で約1.2kmと意外と近い位置にある。ただし、大橋駅からの直線的な道は通っておらず、大橋駅前1号線から塩原交差点で御供所井尻1号線へと入り、高木1丁目交差点で下月隈高木線に入った後、弓田交差点から筑紫通りに入ってららぽーと福岡に到着するといったように、かなり迂回するルートを通らねばならない。その場合の距離は約2.2km。途中、那珂川をわたらなければならないこともあり、心理的な距離としてはそれほど近くに感じられない。

 ただし、ららぽーと福岡の開業に合わせて西鉄バスのダイヤ改正が行われており、大橋駅から直行便・約10分でららぽーと福岡まで行けるようになっている。1時間あたり3~4便(約15~20分間隔)出ており、1日の運行便数は約100便(50往復)。西鉄電車利用の場合は大橋駅が最寄り駅となることもあって、大橋駅を起点にららぽーと福岡を訪れる人々も相当数いる模様だ。

駅前に立地する「RE-BLDG」
駅前に立地する「RE-BLDG」

 そして大橋でも博多SOUTHと同じように、新たなマンション開発が相次いでいる。たとえば、20年5月末に閉店した大橋2丁目の「ダイキョーバリュー大橋店」跡地では、1階部分にドラッグ新生堂大橋店がテナントとして入った賃貸マンション「ベルセレーノ大橋」(RC造12階建て、総戸数126戸:ワンルーム90戸・ワンルーム外36戸)が今年3月に竣工。また、大橋1丁目の大橋駅東口を出てすぐの場所では、1~3階部分をテナントフロアとした賃貸マンション「RE BLDG」(RC造・一部S造13階建て、総戸数90戸)がこちらも今年3月に竣工している。移転統合のために閉店となった大橋1丁目の高架沿いの西日本シティ銀行大橋支店跡地では、(株)コーセーアールイーによる分譲マンション「グランフォーレ大橋駅前レジデンス」(RC造地上15階建て、総戸数83戸)が22年12月中旬の竣工予定で開発が進行。ほかに、照栄建設(株)による塩原1丁目の分譲マンション「アルテマインド塩原」(RC造地上9階建て、総戸数24戸、22年11月下旬竣工予定)や、(株)日本エスコン・(株)LANDICによる大橋2丁目の分譲マンション「レジアス大橋」(RC造地上14階建て、総戸数140戸、23年9月竣工予定)などの開発が進んでいる。大橋の場合は駅周辺では賃貸マンションを中心とした開発が進み、それを取り囲むように分譲マンションが開発されている印象だ。

建設が進む「グランフォーレ大橋駅前レジデンス」
建設が進む「グランフォーレ大橋駅前レジデンス」

【坂田 憲治】

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