2022年08月15日( 月 )
by データ・マックス

ららぽーと開業で変わる!?博多SOUTHと南区・大橋(4)

 大橋エリアにおける、前出の「令和4年地価公示」における17年1月1日時点と今年1月1日時点での公示地価の価格推移を見てみると、「大橋1丁目131番」(商業、80・400)で62万5,000円/m2 → 88万8,000円/m2、「大橋2丁目144番」(80・400)で30万7,000円/m2 → 51万2,000円/m2、「大橋3丁目385番11」(60・200)で13万3,000円/m2 → 19万9,000円/m2、「大橋4丁目1122番2」(60・200)で14万円/m2 → 20万5,000円/m2となっている。いずれの地点も博多SOUTHと同じように上昇傾向にあり、それだけ不動産ニーズが高まっていることを示している。

 ただし大橋の場合は、分譲マンションで「ららぽーと福岡まで徒歩○○分~、自転車△分~」といった謳い文句を載せているところもあるが、博多SOUTHに比べると強くは打ち出していない。それよりも、交通利便性や買い物環境、居住環境などの“大橋としての良さ”をセールスポイントにしているところが多く、ららぽーと福岡の開業が、博多SOUTHほどは直接的に開発の誘発には結びついていない印象を受ける。大橋の場合はどちらかといえば、前述の駅からの直行バス路線の開設にともない、西鉄電車利用者のためのららぽーと福岡へのアクセス拠点としての注目が高いようだ。もちろん通過人口の増加にともない、駅周辺ではある程度の賑わい創出効果が期待できるが、“ららぽーと熱”の収まりとともに次第に落ち着きを見せていくだろう。

跡地活用が注目される「ゆめアール大橋」
跡地活用が注目される「ゆめアール大橋」

 なお、その大橋では、駅前にある市の施設「ゆめアール大橋」(大橋音楽・演劇練習場、南区おおはし子どもプラザ)の移転が予定されており、その跡地活用について、総合評価公募型プロポーザル方式での事業者公募を開始している。同地においては、これまでに行われた行政需要調査において「公共利用の希望はない」ことから、建物解体条件付土地売却の手法で民間事業者への売却処分が決定。福岡市都市計画マスタープランに位置付ける南部広域拠点核における「まちづくりの視点」や市の重要施策を考慮するとともに、施設全体として新たな社会課題や価値観の多様化に対応した民間事業者の活用提案を評価し、地域の魅力向上や賑わいの創出に資する跡地活用を行う予定となっている。大橋駅前の交通広場に面しており、提案内容によっては駅周辺のさらなる活性化に寄与することが期待されるが、対象となる敷地面積は約2,500m2とそれほど広くなく、その影響も限定的なものになるものと思われる。また、敷地規模と距離的な関係から、どういった施設ができるにせよ、ららぽーと福岡との連携は難しいだろう。

【坂田 憲治】

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