2024年04月20日( 土 )

22年上半期 福岡市の開発動向、博多区がマンションで独走(前)

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博多区が供給戸数2,000突破

 福岡市内に設置された標識情報を基に、市内における2022年上半期(1~6月)の開発動向を追った。その結果、共同住宅(木造を除く)の計画戸数は5,773戸で、21年下半期(7~12月)との比較で24戸増加した。21年下半期と同様に、東区は計画戸数1,000戸を超えたが、中央区は600戸を割り込んだ。一方で、博多区は計画戸数が2,000戸の大台を突破。長らく不動だったトップ3から、中央区が陥落するかたちとなった(【表1】参照)。

【表1】共同住宅(木造除く)の開発動向

 21年下半期は1,177戸で3位だった中央区だが、22上半期は全7エリア中5位に後退。九州初となるザ・リッツ・カールトンホテル福岡を目玉とする「旧大名小学校跡地活用事業」など、まちづくりに関する話題は今後も控えており、決して中央区のエリアブランドが低下したわけではない。マンション用地取得の厳しさが、他エリアよりも増していると考えるのが自然だろう。

 計画戸数トップの博多区では、JR博多駅から少し離れたエリア(美野島、堅粕など)でのマンション開発が散見された。また、「(仮称)那珂5丁目Sビル新築工事」(RC造8F、延床面積1,350.35m2、ワンルーム29戸)など、博多駅から南に約3km離れた那珂エリアでの開発も目立った。同エリアではららぽーと福岡の誕生以降、「ららぽーと福岡まで徒歩〇分」を謳うマンションやアパートが増えてきており、早くもららぽーと効果が確認されている。博多区はこれまで以上に、広域での開発が活発化していくものと推察される。

 共同住宅以外の計画件数は、ホテルが0件だったこともあり、21年下半期比で減少。延床面積も同4万6,853.56m2減となった。唯一存在感を見せたのが、倉庫開発だ(【表2】参照)。延床面積は21年下半期比で3倍超と、大規模化が進み、西部ガス都市開発(株)による「(仮称)東浜物流施設新築工事」や東京建物(株)による「(仮称)T-LOGI福岡アイランドシティ物流施設計画」など、福岡県内外の複数の企業による計画が始動した。

【表2】延床面積で見る共同住宅以外の開発動向

【代 源太朗】

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