22年上半期 福岡市の開発動向、博多区がマンションで独走(後)
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【中央区】マンション供給停滞
計画戸数が583戸にとどまった中央区は、博多区、東区とともに上位3エリアの常連だったが、1~3月までの計画戸数は300戸を割り込むなど停滞。21年下半期の結果からも、マンション開発用地の取得が厳しさを増していることは読み取れたが、22年上半期ではそのことが一層顕著になった。
一方で、事務所の新設・増設や、大陽製粉(株)の自動倉庫(S造2階建て、延床面積3,681.59m2)、(一財)日本モーターボート競走会による福岡支部の選手用宿舎(RC造3階建て、延床面積2,485.23m2)の開発など、共同住宅以外の開発は少なくない。多くの企業が拠点を置くビジネスの中心地という地域特性は健在だ。
注目される物件は、(有)東京スタイルが建築主の「(仮称)東京スタイルマンション」。薬院駅から徒歩10分、自転車で5分圏内の高砂1丁目で、RC造10階建て、延床面積1,739.69m2のワンルーム24戸・ワンルーム外10戸のテナント付き共同住宅。設計者は生和コーポレーション(株)。生和コーポレーションはこのほかにも、FBS本社裏手で建設中の「(仮称)二和興産(株)様マンション」(RC造13階建て、延床面積2,877.45m2、ワンルーム25戸・ワンルーム外27戸)でも設計・施工に携わっている。
【南区】再開発の余地は十分
福岡市南区の計画戸数は、21年下半期と比較して220戸増となった。南区は高宮、大池、平和、大橋、長住、市崎を筆頭に、閑静な住宅街が多いエリアであり、(株)福岡地行や(株)コプラス、TAKASUGI(株)など、福岡県内外の企業による戸建分譲開発が盛んに行われている。マンション開発は一服したかと思われたが、22年上半期で再び盛り上がりを見せている。
注目される物件は、九州スターツ(株)が建築主の「(仮称)大楠1丁目計画」。建築物の概要はRC造(一部S造)8階建て、延床面積2,147.55m2、ワンルーム60戸の店舗付きマンションとなっている。
南区は西鉄天神大牟田線沿線に限れば、市中心部との交通アクセスも良い。沿線や駅前を中心に、まだ再開発の余地は十分に残されており、中央区でのマンション供給が停滞しているなか、居住区としての存在感を発揮できるか、動向が注目される。
【代 源太朗】
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