2024年05月14日( 火 )

【福岡・平尾(2)】平尾駅北側で「ホテルにもなる別荘・NOT A HOTEL」

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NOT A HOTEL FUKUOKA 外観イメージパース
NOT A HOTEL FUKUOKA 外観イメージパース

NOT A HOTELとは

 2023年7月、平尾駅北側の一本木公園向かいに「NOT A HOTEL FUKUOKA」が完成する。

 NOT A HOTELの企画販売運営を行うNOT A HOTEL(株)の濵渦伸次CEOによれば、「NOT A HOTELは、自宅にも、別荘にも、ときにはホテルにもなる、まったく新しい暮らしの拠点」だという。

NOT A HOTEL(株) ​​​​​​​ CEO 濵渦 伸次 氏
NOT A HOTEL(株)
CEO 濵渦 伸次 氏

    NOT A HOTELはホテルとしても使えるが、その名が示す通り“ホテルではない”。まず、NOT A HOTELは竣工前に売却される。販売は1棟や各戸(分譲)などの需要に応じて行われ、各戸は30日単位(1/12)でも販売される。

 一般的に、ホテルは装置産業といわれる。初期の段階で建物建築をはじめとする大規模な投資を行い、数十年という長期間にわたって資本を回収するビジネスモデルだ。NOT A HOTELはこの点、完成前にオーナーに販売することで建築コストを回収し、事業リスクを最小限にしていることがビジネスモデル上の特徴でもある。

 オーナーは自宅としても利用できるが、自宅として利用しない日はホテルとして貸し出すこともできる。さらにNOT A HOTELは相互利用が可能で、オーナーは全国のNOT A HOTELを利用することができる(オーナーは自身が持つ利用可能日数を使用)。

 相互利用先には、今後開発される拠点も含まれている。先日新たに石垣島、水上、北軽井沢などのプロジェクトがリリースされたが、25年度までに30拠点の利用が可能になるという。またFUKUOKA内においても、コンセプトの異なるほかの部屋を相互利用することも可能となる。

「投資」妙味は少ない

 運営側(NOT A HOTEL)は、オーナーが利用しない日はホテルとして貸し出し、ホテルの稼働率にかかわらず、オーナーは利用料を受け取ることができる。この点では、投資物件と見ることもできるが、実質利回りは1.5~2%程度と、不動産投資としてはそれほど魅力的には映らないだろう。

 NOT A HOTELは別荘と見ることもできる。別荘所有者の年間利用日数は20日から40日といい、利用されない日は空気に使わせているようなものだ。これはホテルも同じで、客室の稼働率が100%となることはほとんどなく、常にどこかの部屋は空いているというホテルが多い。濵渦CEOはこの点について、「もったいないな、と。NOT A HOTELは、そういった課題も解決していけないかなと思っているんです」と話す。

 NOT A HOTELの特徴の1つは、「オンラインで販売する」ところだ。濵渦CEOは07年、後にZOZOグループへ売却する(株)アラタナを創業し、以来eコマース事業に携わってきた。ECで何を売るのかを考えた際に思いついたのが、「住宅」だったのだという。

 濵渦CEOの言葉を借りれば、NOT A HOTELは「自分で利用しながら楽しめる第三の資産」だといい、資産価値を担保するために、二次流通市場=セカンダリーマーケットの整備にも力を入れる。オーナーは、仮に購入時以上の金額で売ることができれば、それまでに利用したホテル料金は無料だったことになる。30日単位(1/12)での権利販売も、小口化することで流通しやすい環境をつくるためだ。また、NOT A HOTELを増やしていくことで、相互利用できる施設も増え、実質的に「利用権」の価値を高める狙いのようだ。

 同社は、「世界中にあなたの家を」というコンセプトで、25年度までに全国30カ所でNOT A HOTELを展開することを目標に掲げている。

【永上 隼人】

福岡・平尾(1)
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