2024年05月09日( 木 )

九州地銀(18行)の2023年3月期第1四半期決算検証(4)

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【表1】は九州に本店がある地方銀行の金融グループ3社の23年3月期第1四半期(22年6月期)の総預金残高順位表である。
◆金融グループ3社の22年6月期の総預金は、前年比+2兆636億円の41兆5,693億円(前年比+5.2%)。うち譲渡性預金は1兆4,607億円。22年3月期比も+1兆889億円(+2.7%)。
◆1位はふくおかFGで、前年比+8,188億円の20兆9,649億円(前年比+4.1%)。うち譲渡性預金は7,314億円。22年3月期比も+4,820億円(+2.4%)。シェアは50.4%と5割を超えている。
・2位は九州FGで、前年比+4,672億円の10兆5,264億円(前年比+4.6%)。うち譲渡性預金は4,121億円。22年3月期比も+ 3,635億円(+3.6%)。シェアは25.3%。
・3位は西日本FHで、前年比+7,776億円の10兆780億円(前年比+8.4%)。うち譲渡性預金は3,172億円。22年3月期比も+2,434億円(+2.5%)。貸出金は前年比および前期比ともマイナスとなったものの、預金は大きく増加して10兆円の大台に乗せている。シェアは24.2%。
・北九州銀行を傘下に置く山口FGは、前年比+2,402億円の10兆4,963億円(前年比+2.3%)。うち譲渡性預金は4,490億円。22年3月期比も+ 1,618億円(+1.6%)。
◆山口FGの預金は22年3月期までは九州FGを上回っていたが、22年6月期に逆転されている。
 

【表1】
【表1】

【表2】は九州地銀(18行)の23年3月期 第1四半期(6月期)の預金残高順位表である。
◆1位は福岡銀行で、前年比+5,883億円の13兆5,982億円(前年比+4.5%)。22年3月期比は+2,499億円(+1.9%)。
・2位は西日本シティ銀行で、前年比+1,939億円の9兆8,370億円(前年比+2.0%)。22年3月期比も+2,451億円(+2.6%)と増加している。
・3位は十八親和銀行(親和銀行と十八銀行は20年10月に合併)で、前年比+1,794億円の5兆7,906億円(前年比+3.2%)。22年3月期比も+1,794億円(+3.2%)。前年6月期の預金残高は5兆6,112億51百万円。22年3月期も5兆6,112億19百万円。前年比と前期比がほとんど同じなのは珍しい。
・4位は肥後銀行で、前年比+2,660億円の5兆5,744億円(前年比+5.0%)。22年3月期比も+2,160億円(+4.0%)。ここまでが預金が5兆円以上の銀行。
・5位は鹿児島銀行で、前年比+2,051億円の4兆9,710億円(前年比+4.3%)。22年3月期比も+1,515億円(+3.1%)。
・6位は大分銀行で、前年比+1,428億円の3兆5,629億円(前年比+4.2%)。22年3月期比は+1,051億円(+3.0%)。
・7位は宮崎銀行で、前年比+1,550億円の3兆1,144億円(前年比+5.2%)。22年3月期比も+1,216億円(+4.1%)と大きく増加している。
・8位は佐賀銀行で、前年比+744億円の2兆8,721億円(前年比+2.7%)。22年3月期比も+758億円(+2.7%)。
・9位は熊本銀行で、前年比+379億円の1兆6,594億円(前年比+2.3%)。22年3月期比も+566億円(+3.5%)と増加しているものの、肥後銀行との差は大きくなっている。
・10位は北九州銀行で、前年比▲225億円の1兆2,268億円(前年比-1.8%)。22年3月期比も▲669億円(-5.2%)とマイナスになっている。
・11位は筑邦銀行で、前年比+58億円の+8,286億円(前年比+0.7%)。22年3月期比も308億円(+3.9%)。同行を含み預金が1兆円以下の銀行は7行。
・12位は南日本銀行で、前年比+74億円の7,902億円(前年比+0.9%)。22年3月期比も+83億円(+0.9%)。
・13位は宮崎太陽銀行で、前年比+211億円の7,387億円(前年比+2.9%)。預金残高が1兆円以下の銀行のなかでは増加額・増加率ともトップ。22年3月期比も+130億円(+1.8%)。
・14位は豊和銀行で、前年比+94億円の5,859億円(前年比+1.6%)。22年3月期比も+101億円(+1.8%)。
・15位は福岡中央銀行で、前年比▲194億円の5,461億円(前年比-3.4%)。22年3月期比は+521億円(+10.5%)と巻き返している。
・16位は長崎銀行で、前年比+3億円の2,618億円(前年比+0.1%)。22年3月期比は▲11億円(-0.4%)と低迷している。
・17位は佐賀共栄銀行で、前年比+17億円の2,531億円(前年比+0.7%)。22年3月期比は+115億円(+4.8%)。
・18位はみんなの銀行で前年比+120億円の125億円。22年3月期比も+67億円と大幅に増加しているが、今は貸出金同様にボリュームを増やすことが求められている。

<まとめ>
 九州地銀(18行)の22年6月期の預金は、前年比+1兆8,586億円の56兆2,237億円(前年比+3.4%)となっている。銀行別で見ると前年比マイナスは、北九州銀行(▲225億円)と福岡中央銀行(▲194億円)の2行。ただ、福岡中央銀行は、22年3月期比は+521億円(+10.5%))と大きく増加しているが、北九州銀行は▲669億円(-5.2%)と大きく減少している。2021年6月25日に開催された親会社の山口FGの株主総会で吉村猛会長解任劇が発生しており、その影響もあるようだ。

【表2】
【表2】

(つづく)

【(株)データ・マックス顧問 浜崎 裕治】

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