2024年05月13日( 月 )

【福岡・平尾(3)】NOT A HOTEL FUKUOKAを「小さな福岡のランドマーク」へ

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 NOT A HOTEL FUKUOKAの事業主であり運営会社でもあるGood Life & Travel Company(株)(以下、GLTC)の代表取締役・麻生宏氏に、企画の概要や事業のきっかけについて話を聞いた。

NAHと協業のきっかけ

 ──NOT A HOTELとの協業の経緯について、お聞かせください。

 麻生 GLTCの共同出資者である(株)オレンジ・アンド・パートナーズの小山薫堂さんとは旧知の仲でしたが、小山さんのネットワークでNOT A HOTELの濱渦伸次さんと知り合いました。「ネットで不動産を売る」というコンセプトに共感したことが、協業のきっかけです。また、良い建築で良いホテルをつくり、すばらしい体験を提供することを目指すNOT A HOTELは、私がこれまでに志してきたホテル像、レストラン像に近いものもあり、トントン拍子で話が進んでいきました。

 ──NOT A HOTEL FUKUOKAの特徴について、お聞かせください。

 麻生 NOT A HOTEL初の都市型コンドミニアムであり、全8室すべてが100m2以上のゆとりのある空間で設計されているところが、特徴の1つです。

 コンセプトには、「旅と暮らしをボーダーレスに、人生の余白(blank)を楽しむ大人のための、もう1つの拠点。人生の余白(blank)に特徴の異なる8つの部屋をプラスし、暮らしをより豊かにしていきます」ということを掲げています。

 1階共用部には、ワインショップやビストロを併設予定で、部屋にケータリングをすることもできます。オーナー専用ガレージには、eバイクや電気自動車のシェアリングサービスも予定しております。

 もちろん、建築デザインには力を入れています。建築デザインは、ホテルや複合施設の建築開発、家具デザイン、レストランなど多岐にわたるプロジェクトに関わってきたaxonometric Co.,Ltd.、さらに住宅やオフィスなどディテールが求められる建物から、庁舎や図書館などの大規模な公共建築物まで、幅広いプロジェクトを手がけるNKS2 architectsに依頼しました。喧騒から少し離れた立地の特性を生かし、植栽で境界を曖昧に、「福岡らしい暮らしに溶け込む空気を纏う建築」を意識した、すばらしいプランになったと自負しています。

経営者中心に反響上々

 ──「建築」がNOT A HOTELの最大の特徴の1つですね。

 麻生 超長期で建物が生き残るためには、デザインの力が欠かせません。建築デザインはもちろんですが、内装デザインにも力を入れています。内装デザインは、福岡屈指のアーバンリゾートホテル・WITH THE STYLE FUKUOKAも手がけた(株)乃村工藝社のエグゼクティブクリエイティブディレクター兼A.N.D. 代表の小坂竜さんに依頼させていただきました。建築デザインと同じく、最高級ホテルのように華美ではありませんが、最先端の美しさを纏った「余白=blank」を感じさせるものとなりました。

 ──主に、どのような方の利用を想定された企画なのでしょうか。

 麻生 出張で福岡市を訪れる「良いホテル」に泊まりたい方、福岡にセカンドハウスとしてマンション購入を検討している方、ワーケーションの拠点を増やしたい方には、ぜひご検討いただきたいですね。また、大切なお客さまを迎えるためのホテルとして、従業員用の保養所としても利用可能です。

 これからNOT A HOTELは、全国に拡大していくことを見据えています。NOT A HOTELが増えれば増えるほど、相互利用できるホテルの数も増えて、オーナーの利便性は高まりますので、ぜひその体験をしていただきたいですね。

 ──7月14日から販売開始しましたが、反響はいかがでしょうか。

 麻生 今回の第1期販売では「+PENTHOUSE」「+DESK」「+CHEF」「+DOMA」の計4室の販売を行っています。ルーフトップテラスと合わせ250m2以上の空間が二層につながる「+PENTHOUSE」への問い合わせを多くいただいております。最も高額な部屋ですが、今のところは経営者の方によるご購入が多いようです(7月末取材時)。

 ルーフトップテラスにグリルとアウトドアダイニングを備えた「+PENTHOUSE」は、屋外に水風呂と、外気浴で整うためのテラスを備えたプライベートサウナや、リビングとベッドルームとサウナの3カ所と直結する開放的なバスルーム、全方向に開かれたリビングルームなど、いくつもの空間が自由に連なる回遊の家です。「+DOMA」は、専用エントランスやペットテラスを完備したペットフレンドリーな部屋で、中型犬の利用も可能です。

【永上 隼人】


<プロフィール>
麻生 宏
(あそう・ひろし)
19歳で独立し、レストラン経営を開始。福岡市のホテル・I L PALAZZOの取締役総支配人を経て、カトープレジャーグループ常務取締役兼KPG HOTEL&RESORTの取締役社長に就任。全国のホテル、リゾート施設の開発や再生、運営を手がけてきた。また、ラグジュアリー旅館として全国に展開する箱根・翠松園、熱海・ふふの業態、施設開発も担当。2010年9月にIMD Alliance(株)を設立し、代表取締役に就任。ホテル開発、運営、レストラン、ケータリング、コンサルタント業などを手がける。

福岡・平尾(2)
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