• このエントリーをはてなブックマークに追加
2015年07月21日 11:02

新競技場は700億円以内で清楚に作れ 植草一秀氏ブログ「知られざる真実」 

 政治経済学者の植草一秀氏が7月18日、新国立競技場の建設費が高騰したことで、白紙撤回された問題に触れ、「新競技場は700億円以内で清楚に作れ」と述べた。自身のブログとメールマガジンの記事で述べたもの。植草氏は同記事で、オリンピック利権に群がる関係者を厳しく糾弾している。NETIBでは、同記事の一部を抜粋して紹介する。


 国立競技場の建設計画が白紙撤回された。無駄な競技場を作るために2,500億円を投入することは許されない。政府の迷走ぶりは目を覆うばかりである。いっそのこと、オリンピックを返上した方が良いと思われる。

 建設費が膨張した理由は、このオリンピック利権に群がる関係者が私腹を肥やそうとしたためである。オリンピックというきれいな衣装で、人々の目をくらまし、私的な不労所得を得ようとした者が数多く存在したのである。

 デザイン案の決定過程そのものが極めて不透明である。巨大な国費を投入するこうした事業では、この種の利権漁りの行動が絶えない。政治を私物化する行為である。政府債務が膨らみ、財政が破たんの危機に直面していると喧伝され、庶民には巨大消費税の重圧がかけられている。所得がない国民にまで富裕者と同じ税率が適用され、年間17兆円もの重課税が強制されている。その一方で、利権官僚と利権政治屋、そして利権事業者の私腹を肥やす政府支出は膨張の一途を辿っている。

 このような悲惨な国の民はあまりにも不幸である。不幸の原因は政治の堕落、政治の貧困にあるが、その政治を生み出しているのが国民自身であることを忘れてはならない。どのような政治を実現するのかという視点に立つと、何よりも重要なことは選挙である。選挙の際に、誰を選び、どのような政権を樹立させるかの、決定権を持つのは国民である。選挙の際に、十分な戦略と戦術を持って対応しないと、望ましくない政権が樹立され、望ましくない政治が出現してしまう。選挙の重要性を再認識しなければならない。

 オリンピックのメインスタジアムの問題に戻るが、これまでのオリンピックにおけるメインスタジアム整備費用は以下の通りである。

 1996年 アトランタ 254億円
 2000年 シドニー 660億円
 2004年 アテネ 355億円(改修)
 2008年 北京 513億円
 2012年 ロンドン 600億円
 2016年 リオデジャネイロ 550億円(改修)

 整備費用は200億円から700億円となっている。アテネやリオデジャネイロでは、既存の施設の改修によってスタジアムが整備された。「都市の中心で開催するコンパクトな大会」を掲げて招致した東京オリンピックのメインスタジアムの整備費用が2500億円に膨れ上がること自体が言語道断なのである。

 ここまで費用が膨張したのは安倍政権の下においてである。安倍政権の金権体質を象徴する事象である。諸外国のオリンピック・メインスタジアム整備費用を念頭に入れれば、スタジアムを新設するとしても、700億円程度を上限として整備計画を策定するべきである。

 本来は、旧国立競技場を改修して利用すべきであった。それが、財政事情逼迫で国民に消費税大増税を求めている国の、当然の選択であった。オリンピック後に事業収入を得るために、コンサート会場として利用できるように屋根を付ける必要があるとの主張があるが、本末転倒のおバカさんの主張である。屋根を付けるための膨大な費用が掛かり、コンサートの事業収入など、焼け石に水にしかならないのだ。簡素でシンプルなスタジアムを造り、そのスタジアムをオリンピック後に有効活用すればよいだけのことだ。

 費用をかけずに、シンプルで洗練したデザインを構築し、今後のオリンピックのあり方の範を示すべきである。神宮の森に建設するのであるから、巨大な人造物の建造物ではなく、自然と調和した簡素な造りを実現するべきである。簡素な造りにすれば、工期も費用も大幅に削減できる。

 これからコンペを実施して建設工事に入れば、2020年のオリンピックに間に合わせることは十分に可能である。新しい設計については、主権者が目を光らせて、決定過程を監視しなければならない。建設費用の上限を700億円程度に抑制することを、まずは決定事項として確定し、そのうえで次のプロセスに移行するべきである。

 どのような政治を実現するのかという点で、何よりも重要なことは、選挙であると述べた。
私は、現在のような状況を想定して、2013年7月の参院選で警告を発した。

※続きは、メルマガ版「植草一秀の『知られざる真実』」第1195号「原発・憲法・TPPオールジャパン25%運動」で。


▼関連リンク

・植草一秀の『知られざる真実』

 

 
  • このエントリーをはてなブックマークに追加

     

トップニュース

2021年07月24日 06:00

矢西建設の「蹉跌」~絶好調企業に何が起きているのか(3)NEW!

 新開橋交差点の四つ角に位置する地味な2階建社屋が矢西建設の本社だ。その本社屋の前に新設された看板が、矢西建設の関係者のみならず西日本最大級の歓楽街・中洲の事情通の間...

2021年07月24日 06:00

【福岡県】「福岡の避密の旅」(第3弾)、宿泊費、交通費を県が補助、26日より発売開始NEW!

 福岡県は、深刻な影響を受けている県内の観光業を支援するため、「福岡の避密(ひみつ)の旅」観光キャンペーンの第3弾を実施する。今回は宿泊・旅行助成のほか、レンタカー・...

2021年07月24日 06:00

ルミエール、値上げ3、値下げ2品目、食用油は元に戻す 低価格3店売価調査NEW!

 6月29日調べた低価格3店の売価は前回5月28日から大きな変化はなかった。トライアルは主要19品目中、17品目が同じだった...

2021年07月23日 15:19

【菅独裁政権に学ぶ(3)】2021年8月、東京オリンピックによって「日本沈没」が明らかとなる

 スガ親分!昨日の夜は「日本一の政治権力を握っても虚しいもの。本当に身内も含めて誰もが敵になる」と地団駄を踏み、悔しい思いで眠れぬ一夜を過ごしたことでしょう。

2021年07月23日 06:00

矢西建設の「蹉跌」~絶好調企業に何が起きているのか(2)

 矢西建設の歴史は1952年までさかのぼる。47年に発足した(社)九州道路技術運営会を母体に、52年12月に九州ブルドーザー工事(株)を設立、73年8月に現商号に変更...

2021年07月23日 06:00

パチンコ「キコーナ」は九州に進出するのか

 DステーションによるP-ZONEの買収劇から間もなく4年。九州進出をはたしたDステーションは、旧P-ZONE運営のグループ企業(株)パラダイスだけで600億円超の売...

2021年07月23日 06:00

ドラッグイレブン5月期、売上高472億円 不採算店閉鎖で実質減収減益に

 ツルハHD傘下のドラッグイレブン(旧・JR九州ドラッグイレブン)の2021年5月期決算は売上高が472億1,400万円、経常利益8億4,100万円、当期純利益2億9...

2021年07月22日 19:54

【菅独裁政権に学ぶ(2)】東北人の「強さ・弱さ」

 昔々のことである。友人Aは運送拠点を拡大して秋田まで進出した。待遇にもかなり気をつけていた。

2021年07月22日 19:20

佐賀県武雄市ふるさと納税返礼品に発送遅れ、19年4月にも~アースグロー(株)(旧・(株)ジッパー)

 佐賀県武雄市のふるさと納税返礼品の発送が遅れ、寄付者からの苦情が市や委託事業者に多い日には1日100件ほど寄せられるという事態が発生している。 

首尾一貫した菅首相の行動原理

 市民を犠牲にする五輪に市民が反対している。

pagetop