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2015年08月20日 09:00

回復期リハビリの要、セラピストを育てる(3)

関東地区は慢性的な看護師、セラピスト不足

note_work 学校法人福岡保健学院グループの各学校の長は、大部分が医師やセラピストだが、なかには高校で管理職に就いていた学校長もいる。そのひとり、武雄看護リハビリテーション学校長は、昨年、自身が急性期疾患で倒れ、早期リハビリがどれだけ大切か、身をもって体験した。もともと体育教諭としてスポーツリハビリなどに興味を持っていたこともあって、現在の仕事に精力的に取り組んできた。今後はますます力が入りそうだ。
 昨年は実績も残した。看護学科定員40名の学生の100%就職、100%卒業を成し遂げたのだ。教育者にとって、学生たちが無事、希望の場へ就職していくことに勝る喜びはない。「今年の学生たちもこれまで全員無欠席でがんばっている。次はぜひ皆勤賞100%もあわせて目指したい」という。また今年は2名の学生が関東地区のグループ病院への就職試験に合格し内定が出ているのも嬉しいところだ。

 「グループ内に病院と学校があるのは、学生たちの就職先を確保し就職率を上げるための戦略」、そういう見方もあるかもしれない。しかしグループ内病院における看護師、セラピストは福岡保健学院グループの卒業生ばかりではない。意外と他校出身者が多い。例えば原宿リハビリテーション病院の例を上げると、3:1の割合で他校出身のセラピストの割合が高い。
 新規で病院を開設する場合、まず九州・山口での経験を積んだ看護師、セラピストで組織をつくり、グループの理念を浸透させるというモデルは作っているものの、その後は当地で採用した看護師、セラピストを病院理念になじむように育てていく。

 学生たちはグループ内病院での求人に優先的に応募できるという特典はあるが、厳しい試験を乗り越えてのこと。エスカレーター式に就職できるわけではない。その代わり九州の学生でも望めば関東地区の求人に応募できる。グループ内で人員調達できる仕組みは、むしろ西高東低と言われる医療機関の人員配置において、均等に人員を調達できる仕組みとして有効に機能している。

 慢性的な人手不足に悩む関東圏の病院にしてみれば、九州・山口から看護師、セラピストを雇用することができる仕組みがあることは、心強いことだろう。何しろ関東地には八千代リハビリテーション学校1校しかないのに、病院は回復期だけでも12校ある。さらに今後は新規も増えるが、そこに理念を理解した人材を多く確保できる自信があるからこそ、大胆な戦略も可能になる。他の病院から、「九州から看護師が来てくれるなんて羨ましい」と言われた関東地区のグループ病院もあるそうだ。

(つづく)
【黒岩 理恵子】

 
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