料理長の極みは未だ道険し
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料理長Aは52歳。7年間腕を振るっていたお店が、経営者の代替わりによって、「和食の店」を廃止してしまったので、料理長を退任した。Aは創作和食道を極めてきたおり、即座に辞表を出したのである。若手の1人とともに、海外にある和食の店にスカウトされた。「昔(10年前)は海外へ行けば、1年間で結構貯金が溜まった。ところがあまり長く海外に滞在すると腕が鈍(なまく)らになってしまう」と痛し痒しの話となった。
「どうして鈍らになるのか?」と素人のような質問をした。「和食の道も日進月歩です。その先端を走っているのは当然、日本です。先端の動きから遠ざかり、たとえば5年触れ合いがなくなると腕前が鈍くなっていくという厳しい宿命なのです」と説明をしてくれた。やはりどの世界も極めるだけでなく、そのレベルを維持し続けるのは簡単にはいかないことを知った。
41歳の和食料理長が中洲で独立した。「和食の創作料理、単価1万5,000円、アルコールは別】の品書きが届いた。試食に行ってみよう! 「また行きたくなる店」なのかどうか、興味深い。
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