2024年06月19日( 水 )

創業50周年の福島工務店 若手・女性職人の活躍に期待

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(株)福島工務店
代表取締役社長 森  靖崇 氏

(株)福島工務店 代表取締役社長 森 靖崇 氏

 福岡を拠点に活動する専門工事業の(株)福島工務店は今年7月、創業50周年を迎える。同社は長年の実績を背景に、中堅および地場有力ゼネコンを主な受注先としてマンション新築や庁舎などの型枠工事を手がける。3代目社長・森靖崇氏に、業界環境の現状や職人不足への対応策などを聞いた。

長年の施工実績をもとに受注基盤を確立

 ──今年50周年の節目を迎えられます。貴社の概要および強みについてお聞かせください。

 森 当社は1973年7月に、福島義治が創業したのが始まりです。その後、現会長の福島哲茂が跡を継ぎ、2代目社長となりました。私は93年に18歳で入社したのですが、当時は社員も少なく、1人ひとりがすべての業務をやらなければならない状況でした。とにかく一生懸命に働きながら、当時の哲茂社長とともに夢を語り合っていたのを覚えています。そうしたなか、哲茂社長が病気を患い2005年、私が30歳のときに社長代行を任されました。現場のことは誰よりも熟知していましたが、経営面となるとまったくの素人でしたので、大変でした。その後、16年6月に私が3代目の代表取締役社長に就いたのですが、社長代行期間の11年間があったおかげで、さまざまなことを吸収・蓄積することができました。

    当社の強みは、大きく分けて3つあります。1つ目は、長年多くの現場で実績を重ねながら研鑽してきた「技術力」です。2つ目は「機動力」。自社と100社近くの協力会社がありますので、常時40~50現場の稼働を可能にしています。3つ目は「広大な資材置場」をもっていることです。3拠点合わせて1万7,000m2の資材置場に型枠資材を置いており、急な受注にも対応ができます。おそらく九州随一の規模だと思います。それらの強みと長年の実績により、多くの中堅ゼネコンや地場ゼネコンからお声がけをいただいております。

 また経営面では、1社依存ではなく、多くの取引先をもつことを大事にしています。それが50周年を迎えられたことにもつながっていると思いますし、目標としていた50周年までに新社屋を建設することもできました。

深刻化する職人不足への対応策

 ──職人不足に対しての取り組みについてお聞かせください。

 森 今春は中途社員を含めて4名が新たに入社し、全社員で42名となりました。そのうち4名はベトナム人を雇用しています。短期的にみれば外国人雇用も必要だと思いますが、あくまで一時的なものと考えております。やはり将来を見据えて、日本人の若い人材が必要でしょう。

 建設業は、学生はもとより親御さんから敬遠されている現状がありますが、これを払拭するためには、いかに魅力的な業界かということをわかってもらうことが大事です。そこで、当社では積極的に学校の職場見学を受け入れるほか、逆に学校へ講師として出向くこともあります。親御さん方にも建設業界への理解を深めていただけるよう、こうした活動は、校内新聞に載せていただいています。そうしたなかで先生方とのパイプができていったこともあり、先日もある先生から「福島工務店さんに生徒を送り出せていないので、できるだけ早く、1人でも2人でも送り出したいです」と嬉しい言葉をいただきました。また、女性求職者専用のリクルートサイトへの掲載も行っていますが、今年入社のうちの1人は、そのサイトを見て当社を選んでくれたようです。

 さらにここ1~2年は、私がトップとして積極的にメディアへ露出するようにしています。私が出ることで、当社がどういった会社か――事業概要だけでなく、企業理念や目指している方向性などを知っていただく近道になると思いますし、実際に今年入社した社員の1人は、私が掲げている理念にすごく共感してくれて、「どうしてもここで働きたい」という思いできてくれたようです。

女性だけの型枠チームづくりを

    ──女性社員の雇用に力を入れていると聞いています。

 森 女性が元気に働いている職場は、とにかく明るく社員が働きやすい環境だと思います。「女性が働きやすい」「女性が働きたい」と思えるような職場環境を整えることが、若い人の入社を促す一歩になるのではないでしょうか。子育て支援の一環として、職場にお子さんを連れて来られるように、今年完成した新社屋に託児所スペースを設けました。そうすることで、妊娠・出産後にも、また当社で働きたいと感じてもらえるはずです。女性社員雇用においては、大きな目標を掲げております。2027年までには女性だけの型枠大工チームをつくること。さらには、30年までには男性社員と女性社員の割合を2対1にすることです。簡単なことではありませんが、自社の未来を考えると、必ず達成すべき目標だと認識しています。

 ──最後に、これから建設業を目指す若者や女性の方々へのメッセージをお願いします。

 森 型枠工事は、とてもすばらしい仕事です。まず何もない空間に型枠を組み上げていき、そこにコンクリートを打ち込むことで建物のかたちが浮かび上がってきます。それを見たときの達成感は格別です。個人的な感想にはなりますが、おそらくどの仕事をしてもここまで最高の達成感は味わえないと思えるぐらい、すばらしいものです。

 建設業界にはいまだ3K(きつい・汚い・危険)のイメージが根強く残っていますが、我々は今、それを必死に変えようと努力しています。いや、絶対に変えてみせます。ぜひ一度、この業界にきてもらえれば、我々がとてもすばらしい世界を見せてあげることができる――そうした業界をつくり上げていきます。

【内山 義之】


<プロフィール>
森 靖崇
(もり・やすたか)
1975年3月1日生まれ、宮崎県延岡市出身。延岡市立西階中学校を卒業後、社会人として3年間を延岡市で過ごす。93年8月に福島工務店に入社。2005年に社長代行として経験を積み、16年6月に代表取締役社長に就任した。

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