2024年06月16日( 日 )

熊本23年地価公示、TSMC進出で「過去例を見ない現象」(後)

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再開発で注目の熊本駅

 7位の「熊本市西区春日3-19-8」は、5位と同じくTSMC進出との関連が薄いながらも上昇率上位となった。周辺においては賃貸マンションの立地も見受けられるものの、低層住宅地としての土地利用が中心だが、JR熊本駅の周辺では21年の「アミュプラザくまもと」開業をはじめ、再開発が活発となっている。主力はJR九州で、3月7日にも「JR熊本春日北ビル」を竣工したところ。同ビルは熊本駅周辺では「JR熊本白川ビル」「JR熊本春日南ビル」に続く3棟目のオフィスビルで、熊本駅・新幹線口に隣接。地上6階建で1~2階が商業・クリニックフロア、3~6階がオフィスフロアとなっており、賃料も1万7,000円/坪と高めの設定。熊本市役所周辺のオフィス賃料相場は、8,000~1万円/坪といわれているが、それを大きく上回るJR熊本春日南ビル(20年竣工・1万4,000円/坪)も満床となっている。JR九州が力を入れていることもあり、駅周辺のオフィス市況は改善傾向にあるようだ。

レーベン熊本駅レクシア(イメージパース)
レーベン熊本駅レクシア(イメージパース)

    JR熊本駅まで徒歩7分、熊本駅周辺整備区画内では、(株)タカラレーベン(東京都千代田区)が3棟構成の大型分譲マンション・レーベン熊本駅レクシア(全167戸)を建設中。ファミリー向けだけでなく、1LDKの単身向けの間取りも用意しており、投資用にも検討できる企画となっている。竣工は24年4月予定。九州新幹線はもちろん、在来線の鹿児島本線、豊肥本線のほか、中心市街地には市電やバスといった交通アクセスに優れた立地にあり、5月中旬時点では第2期までの販売が終了している。

 タカラレーベンは今年1月、希少な上通アドレスにて、レーベン上通 ザ・レジデンス(全54戸)を竣工させたばかり。

タカラレーベン レーベン熊本駅レクシア

上昇した過半数がTSMC

 8位の「合志市幾久富字中沖野1758-106」と9位の「合志市幾久富字中沖野1758-320」は隣接する区画に位置し、8位が店舗、9位が住宅と用途は異なるが、エリアの住宅需要が高いことやTSMC進出で周辺地価が高騰していることから、大幅に上昇した。
 10位の「菊陽町沖野2-11-18」は、周辺を畑に囲まれた住宅地にある。最寄りの三里木駅までは徒歩19分と離れており、そのため同駅徒歩2分の1位の地点とは倍以上の開きがある。

 11位以下も上昇率プラスの地点の多くがTSMC進出による影響を受けており、熊本都市圏全体を引き上げる効果を示している。今後はTSMCだけでなく、さらなる工場立地と関連企業の立地が進んでいくと見られており、しばらくは半導体特需が続きそうだ。

(了)

【永上 隼人】

(中)

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