2024年05月11日( 土 )

唐津市の養豚場で豚熱発生、野生イノシシで拡散する可能性あり

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 佐賀県は30日、唐津市内の養豚場で飼育されているブタが豚熱に感染していたことが確認されたと発表、県は同養豚場で飼育されている約450頭の殺処分を開始した。

 また、感染が確認された養豚場から800mほど離れた別の養豚場でも、8月27日~30日までに子ブタおよそ200頭が死んでおり、豚熱への感染が疑われるとして、現在、正式な確認作業を進めている。この養豚場は規模が県内で2番目に大きく、飼育数は約1万頭に上るため、感染が確定した場合、自衛隊に災害派遣要請を行って処分を進める方針としている。

 佐賀県は、感染が確認された養豚場から半径3キロ以内を「移動制限区域」としてブタの移動を禁止し、10キロ以内は「搬出制限区域」として区域の外側への移動を禁止する措置をとり、感染の拡大防止に向けた対策をすすめている。

豚熱は野生イノシシの行動で拡散する

 豚熱はかつて豚コレラ(とんコレラ)と呼ばれていたが、2019年に豚熱に変更された。英語名は「CSF(クラシカル・スワイン・フィーバー)」。ウイルス性の伝染病で、ブタとイノシシに感染し、ヒトには感染しない。日本では、家畜伝染病予防法において法定伝染病に指定されており、ブタ、イノシシへの感染が確認された場合、法令にのっとった対処が必要となる。

 今回発生が確認された養豚場がある同市の上場地区は、県内北東部の東松浦半島に位置し、陸路は南と東に限られる。県は車両の消毒ポイントを同市内に5カ所(および伊万里市に1カ所)設置し、消毒への協力を呼びかけている。

 唐津市内には多くの野生のイノシシがおり、イノシシの移動による感染拡大が心配される。今後の拡大に十分な注意と警戒が必要である。

【寺村 朋輝】

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