土地区画整理事業が佳境、七隈線・橋本駅前(前)
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七隈線とともに変わる橋本エリア
福岡市地下鉄七隈線の起点となる橋本駅の開業は2005年2月。06年度からは橋本土地区画整理事業がスタートし、複合商業施設・木の葉モール橋本(以下、木の葉モール)などが建ち並ぶ橋本駅の東側、現在の橋本2丁目の景観が形成されていった。総事業費は21億円超。地域の顔へと成長した木の葉モールから橋本駅までは、連絡橋「はしもとふれあい橋」で直結しており、駅の利用者が流入しやすいように工夫が施されているほか、近隣にはロードサイド店舗が軒を連ねており、エリア一帯で活気が感じられるようになっている。
七隈線延伸(天神南~博多)の事業化が決定した11年には、橋本駅前土地区画整理準備組合が設立された。乗り換えなしに博多駅までつながることを受けて、七隈線沿線では住宅需要も高まるなか、組合は福岡市からの設立許可を受け、20年に福岡市橋本駅前土地区画整理組合として活動を開始。橋本駅前の土地区画整理事業も本格始動をはたす。
施行面積は橋本駅の西側(橋本2丁目、戸切2丁目の各一部)約7.3haで、事業期間は24年度まで、総事業費は24億円超となっている。現在、対象エリアとなる戸切2丁目では造成工事が進められており、住宅や商業施設、(医)信愛会による診療所などが計画されている。隣接エリアの橋本ニュータウン(壱岐団地)でも建替え工事が進んでいることから、橋本駅西側の様相は、今後大きく変わることが予想される。
地下鉄七隈線の誕生と延伸で発展を遂げてきた福岡市西区の橋本エリアだが、橋本や戸切の一部を含む壱岐南校区の登録人口を見ると、近年は1万300人前後で一進一退を繰り返しており(市公表資料参照)、少子高齢化が進むなか、定住人口の獲得が課題となっている。住宅地の供給を主とする橋本駅前土地区画整理事業は、この課題解決への糸口としても期待がかかる。
橋本エリアの顔、木の葉モール
11年4月15日に開業した木の葉モール。管理・運営は、これまでに複合商業施設・キャナルシティ博多や、九州最大級のアウトレットモール・マリノアシティ福岡といった大規模開発を手がけた福岡地所グループで、コロナ禍前の18~19年には年間600万人超が訪れており、20年には累計来場者数が5,000万人を突破した。
木の葉モールでは、スーパーマーケット「サンリブ」や「無印良品」など、120店舗以上(24年1月現在)が営業しており、福岡市内の図書館で借りた本を返却可能な「図書館資料返却ポスト」を設置するなど、行政サービスとの提携も行っている。
利用者はファミリー層が目立つが、老若男女問わず、多くの人が足を運ぶ。利用者の大多数を占める地元住民のリピート率を向上させるために、木の葉モールでは夏休み期間に「木の葉deラジオ体操」や地元団体と共催で農業体験イベントを開催するなど、地域交流を促進。年間1,000を超えるイベントを開催しており、繊研新聞社主催の「第20回(17年度)ディベロッパー大賞&テナント大賞」の「テナントが選んだディベロッパー大賞」において、2年連続で「CS賞」を受賞するなど、高い評価を得ている。
テナントのリニューアルやサービス面のDX化(駐車場のチケットレス化)などを定期的に実施することで、常に飽きさせない工夫が施されている木の葉モールは、名実ともに橋本駅前のランドマークとして存在感を放っている。
(つづく)
【代 源太朗】
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