2024年07月21日( 日 )

AI時代の到来でもアップルは大丈夫か(前)

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日韓ビジネスコンサルタント
劉明鎬 氏

イノベーションの象徴「アップル」

Apple iPhone イメージ    アップルは現在世界1位の座をマイクロソフトに譲っているが、時価総額3兆ドルを世界で初めて上回った企業である。アップルといえばイノベーションの象徴のようなイメージが強く、アップルの強力な支持層は今でも全世界に存在する。しかし、世の中には永遠なものはない。昨年11月にチャットGPTが登場して以来、世界的にAIブームが巻き起こっているが、アップルはその後どういうわけか業績が低迷し、AIに対する対応も遅れがちである。

 時代を振り返ると、インテルは、巨大な筐体のなかで動作していたコンピューターを1つのチップで動作できるようにするイノベーションを起こし、コンピューターは一般の人々の身近な存在へと変貌し、「パソコン」という巨大市場が生まれた。そのとき、インテルとマイクロソフトはパソコン時代の寵児であった。

 その後、2007年にスティーブ・ジョブスがiPhoneという革新的な製品を生み出してスマホ時代を切り拓くと、スマホ全盛時代を謳歌したアップルはアップル帝国と呼ばれるほど大きな成長を遂げた。アップルはiPhoneという強力なブランドを構築して消費者を魅了し、世界同時販売で市場に大量供給して成長を続けてきた。しかし、潮目が変わり、時代はスマホからAI技術に軸足を移そうとしている。

アップルに対する懐疑的な意見も

 過去20年近く世界のビッグテックを牽引してきた「アップル」だが、AI時代の到来で岐路に立たされている。22年11月の生成AI「チャットGPT」の登場とともに、マイクロソフトとGoogleはAIに積極的に投資をし、その波にうまく乗った。

 ところが、アップルは相対的に、AIに対してこれといった方向性やビジョンを提示できていない。AIブームで株式市場が盛り上がっているなか、アップルだけは業績が悪化し、その結果、株価も下げている。アップルの業績は、昨年末時点で4四半期連続の減収だった。とくに業績が低調だったのはiPhoneやMacなどのプロダクト事業だ。事業収益のほぼ半分を占めているiPhoneの業績悪化が、株価の下落を招いた。

 5月2日を基準に米株式市場で時価総額3位のエヌビディアは、AI半導体の絶好調で、時価総額が年初と比べて約100%以上も伸長した。AI開発に直接かかわるか、データセンターを運営しているマイクロソフト、Google、アマゾンも時価総額が二桁の成長を遂げた。一方、アップルだけは年初に比べて時価総額を減少させている。

(つづく)

(後)

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