石破新内閣の官房長官に林氏留任、小泉氏を党選対委員長、菅氏は副総裁で調整
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自民党の石破茂総裁は、岸田内閣で内閣官房長官を務める林芳正氏を引き続き官房長官に留任とすることを固めた。また、総裁選で争った小泉進次郎元環境相を党選対委員長に起用し、森山裕総務会長については幹事長の方向で調整している。菅義偉前首相については、副総裁を検討しており、菅氏の意向を踏まえて最終判断を行うという。
林氏は、閣僚経験などが豊富で、安定的な政治手腕を評価する声が多い。政治の継続性を考えると、林氏を引き続き官房長官に起用することで、安定した政権運営が行えると考えていると思われる。また、石破氏と林氏は、若手議員時代から勉強会を通じて交流があり、第2次安倍政権発足前の2012年2月に、林氏が開いた勉強会に石破氏が講師として参加するなど気心も知れているという。
小泉氏は、総裁選で党員票が伸び悩み3位であったが、抜群の知名度があり、決選投票では石破氏を支持したとみられる。臨時国会中の衆議院解散が想定されるなか、党内で「選挙の顔」として期待されている。
一方、決選投票で21票差だった高市早苗経済安全保障担当相の処遇も注目されるが、高市氏は「一国会議員で支えたい」との意向であるという。高市氏を支持した保守系応援団の一部は、石破氏や、石破氏を支持した岸田首相などに対して、SNSで不穏当な表現を含む非難を行っており、高市氏が総裁に選出されなかったことへの岩盤保守層の反発は、大きいようだ。
石破氏は、党内基盤が強くないといわれ、岸田首相や菅前首相の力を借りる必要性が今後出てくると思われるが、「自民党は生まれ変わった」ことを内外に示すためには、党内バランスへの配慮だけでなく、若手や女性の起用も重要である。
石破氏は、今日午後、連立を組む公明党大会に出席し、「どちらか一方だけが得をして一方が損をする、そんな関係は長続きをいたしません。この政権を維持するために、私自身、全身全霊を尽くしてまいります」と挨拶を行った。
こうしたなか、党役員・閣僚人事について検討を進めており、週明けの30日に新執行部を発足させ、10月1日に召集される臨時国会で首相に指名され、同日中に新内閣が誕生する。
大きな注目を浴びた自民党総裁選だが、自民党所属議員の少なからずが、総裁選の勢いのまま衆議院解散・総選挙に突き進みたいとの考えをもっており、選挙に向けた動きが加速するとみられる。総選挙に日程として、早ければ10月27日、または11月10日投開票が有力となっている。
石破氏は都道府県連に対し、次期衆院選の公認予定候補者を10月7日までに申請するよう通達を出したが、麻生太郎副総裁の強い意向で空白となっていた福岡9区の予定候補者をどうするのかも注目される。
【近藤将勝】
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