NetIB-NEWSでは、政治経済学者の植草一秀氏のメルマガ記事を抜粋して紹介する。今回は「兵庫県議会は斎藤知事に対する責任追及で新しい次元の動きを示すことになると思われる」と指摘したうえで「無為に時間を浪費することを回避するためには、兵庫県警が迅速に行動することが強く求められている」と論じた5月28日付の記事を紹介する。
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昨年11月17日の兵庫県知事選挙。失職した斎藤元彦元知事が勝利した。選挙結果は「オールドメディアの敗北」と報じられたが、私はこの論評を疑問視した。テレビ等のオールドメディアが破れてSNS等のニューメディアが勝利したとの評価は正しくないと判断した。
11月18日に公開したブログ記事、メルマガ記事に次のように記述した。
ブログ記事「新時代情報戦争と兵庫知事選」https://x.gd/Fhvd3
メルマガ記事「兵庫県知事選と25年政治刷新」https://foomii.com/00050
「インターネットメディアを活用して、人々の納得や共感を獲得できれば、大きな成果を上げることができる。問題は流布される情報が必ず真理とは限らないこと。事実に反する情報であっても、情報の受け手が納得し、真実だと信じ込めば投票結果などに影響を与えることができる。兵庫県知事選では、斎藤前知事が亡くなった県民局長の内部通報に対して取った行動が適切であったのかどうかが最重要の評価対象だったが、県民局長のプライバシーに関する情報が拡散されて有権者の行動が誘導された側面が強いと見られる。『目的のためには手段を問わない』とのスタンスで選挙戦が展開されたとすれば、県民局長が使用していたPCに保存された情報の管理が適切であったのかどうかに関する評価がなされる必要がある。この意味で、選挙が公正な状況で執行されたのかどうかについての検証が必要になる。」
その後、多くの悲劇が発生した。斎藤元彦氏を追及した兵庫県議会議員の竹内英明氏が兵庫県知事選を通じて激しい個人攻撃の対象とされ、知事選後に議員辞職したが、攻撃は止まず、自死に追い込まれた。斎藤氏に関する外部通報を行った元西播磨県民局長は告発とは関係のない個人情報を外部に流布・拡散すると脅されて、やはり自死に追い込まれたと見られている。
上記の11月18日記事に、「県民局長のプライバシーに関する情報が拡散されて有権者の行動が誘導された側面が強い」と見られ、「県民局長が使用していたPCに保存された情報の管理が適切であったのかどうかに関する評価がなされる必要がある」と指摘したが、その後の調査で、この指摘通り、「県民局長が使用していたPCに保存された情報の管理」に重大な問題があったことが明らかになっている。
※続きは5月28日のメルマガ版「植草一秀の『知られざる真実』」「外堀が埋まる斎藤元彦氏」で。
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植草一秀の『知られざる真実』
【6/20要申込】
植草一秀プレミアムセミナー&出版記念パーティー開催
6月に新刊『財務省と日本銀行-日本をダメにするカルトの正体-』を上梓する植草一秀氏を講師に迎えて、日本の財政政策の実態を読み解き、経営者が今後の経済環境にどう向き合うべきかを考えるセミナーを開催します。植草氏と直接意見交換ができる貴重な機会です。ぜひご参加ください。
<INFORMATION>
〔日時〕
2025年6月20日(金)午後3時~6時
〔場所〕
福岡市民ホール(小ホール)
〔プログラム詳細〕
講演『財務省の正体とビジネス防衛論』 午後3時~4時半
質疑応答 午後4時半~5時15分
出版記念パーティー(軽飲食付き) 午後5時15分~6時
〔講師〕
植草一秀氏(政治経済学者)
〔参加費〕
1万円(飲食、新刊書籍、書下ろし資料代含む)※要申込
〔お申し込み先〕
専用フォームあるいはTEL、FAXにて
▶ 専用フォーム
TEL:092-262-3388
FAX:092-262-3389
主 催:(株)データ・マックス
※当セミナーの詳細な内容は告知記事にてご確認ください。
<プロフィール>
植草一秀(うえくさ・かずひで)
1960年、東京都生まれ。東京大学経済学部卒。大蔵事務官、京都大学助教授、米スタンフォード大学フーヴァー研究所客員フェロー、野村総合研究所主席エコノミスト、早稲田大学大学院教授などを経て、現在、スリーネーションズリサーチ(株)=TRI代表取締役。金融市場の最前線でエコノミストとして活躍後、金融論・経済政策論および政治経済学の研究に移行。現在は会員制のTRIレポート『金利・為替・株価特報』を発行し、内外政治経済金融市場分析を提示。予測精度の高さで高い評価を得ている。政治ブログおよびメルマガ「植草一秀の『知られざる真実』」で多数の読者を獲得している。