2024年04月27日( 土 )

東京オリンピックで開花するか?数々の新技術の芽(前編)

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 NetIB-Newsでは、「未来トレンド分析シリーズ」の連載でもお馴染みの国際政治経済学者の浜田和幸氏のメルマガ「浜田和幸の世界最新トレンドとビジネスチャンス」から、一部を抜粋して紹介する。今回は、5月19日付の記事を紹介する。


 人間の身体は60兆個といわれる膨大な数の細胞から成り立っている。しかし、元をたどれば、1つひとつの細胞は極めて小さなものに過ぎない。そこで、この1つひとつの細胞のメタボリズムを飛躍的に高めることにより、人間全体の運動能力を強化しようという発想が生まれてきた。

 戦場で多くの兵士が命を失う最大の理由は体力を消耗し、空腹に苛まれ、誤った判断を下してしまうからである。そのような状況から兵士たちを救うために、アメリカの国防総省では少なくとも年間400憶ドルの研究費を、このような兵士の人体改造計画に投入していると言われている。
 そこまでいくと、すでに人間なのか、ロボットなのか、境界線があいまいになりつつあるようにも思われる。しかし、現実には我々の想像をはるかに超えるスピードで人体のサイボーグ化が進んでいることは間違いなさそうだ。

 アメリカ政府の潤沢な研究開発費のおかげで、アメリカにおいては、人体の再生や人間の能力向上に資する研究に関する国際会議が頻繁に開催されてきた。
 このようにアメリカでは、官民を挙げて夢を現実のものにしようとする研究が、確実に動き始めている。グーグルの共同創業者の1人であるラリー・ペイジは、ヘッドハンティングをしたカッツウェル博士とともに、2045年を目標に、「人間の頭脳を現在より10億倍強化する計画」を温めている。
 言い換えれば、人間の頭脳をビッグデータ化するとともに、人間の肉体や生命を永久化しようとする試みといえよう。人間とマシーンの合体とも受け止められる。これを単なる空想の産物と笑い飛ばすのか、あるいは、科学的なニューベンチャーとして真剣に受け止めるのか。どちらの視点に立つかによって、人類と地球の未来が大きく左右されることになるに違いない。

 自然との調和を大切に、旬の食材や周囲との絆を長寿の源としてきた日本的なアプローチでは、125歳あたりが限界といわれてきた。しかし、最新の医学研究や科学技術の恩恵を活かせば、桁違いの寿命1000歳も可能になるかもしれない。

 「願えば叶う」と言うが、国家目標として巨額の軍事予算を投入し「不死身の兵士」を生み出そうとするアメリカ。とはいえ、こうした人体の機能強化プロジェクトはアメリカの専売特許ではない。実は、ロシアや中国も同じような発想から長年に渡り、極秘の寿命延長や人体改造に関する研究を続けている。一方、この世に生を受けたことに感謝し、自然な天寿を全うすることに満足を得ようとする日本。どちらの願いを選択すべきか。

※続きは5月19日のメルマガ版「世界最新トレンドとビジネスチャンス」第65回「東京オリンピックで開花するか?数々の新技術の芽(前編)」で。


著者:浜田和幸
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