2024年04月26日( 金 )

福大・医学部で、浪人生が不利になる不適切な評価を実施~データ・マックスの取材に虚偽回答か?

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 福岡大学(福岡市城南区)は8日、同大医学部の入試で浪人生の配点が現役生より低く設定されていたことを発表。同日行われた記者会見で、「不適切だった」と陳謝した。

 同大によると、同大医学部医学科の一般入試の二次選考とA方式推薦入試において、高校が作成した調査書の評価を卒業後の年数によって減点を実施していた。一般入試の調査書では、現役生が20点満点なのに対し、1浪生は10点満点、2浪生以上は0点として採点するほか、現役生と1浪生を対象とした推薦入試では、現役生は10点、1浪生は5点を一律に加点し、いずれも現役生が有利となる採点を行っていた。同大ではこの理由を、「調査書については有効性の観点から、卒業からの時間的な経過を考慮に入れていた」と釈明。現役生が有利になる採点は2010年度の入試から行ってきたが、19年度の入試を含めた今後については、卒後年数の差異を取り除くとしており、11月25日に実施したA方式推薦入試でも、すでに現役生が有利になる評価を取りやめた。

 今年8月に発覚した東京の私立大学での医学部入試における不正に端を発したこの問題で、文科省では8月11日に全国81の大学を対象に書面での調査を実施。その後、個別の大学への訪問調査を行っていた。同大への訪問調査は11月9日に実施。文科省から11月22日、同大の調査書評価の取り扱いが「不適切である可能性が高い」との指摘を受けたことから、26日に医学部医学科入試改善委員会を設置して検討を行い、今回の発表となった。

 同大企画部広報課の担当者は取材に対し、「このたびは、弊学医学部医学科入学者選抜に関する件でお騒がせをし、お詫び申し上げます。今後、不適切性の問題点を検証するため、第三者を含む調査委員会をすみやかに設置し、同様の問題の再発の防止に取り組むとともに、信頼回復に努めてまいります」とコメントした。

※11月7日のデータ・マックスの取材に対して同大は「特定の受験生に対する優遇措置はない」とコメントしていた

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