これまでの渋谷、これからの渋谷。 「100年に一度の再開発」を期に「世界のSHIBUYA」へ(前)
  • このエントリーをはてなブックマークに追加
2019年01月09日 15:22

これまでの渋谷、これからの渋谷。 「100年に一度の再開発」を期に「世界のSHIBUYA」へ(前)

東京急行電鉄(株)
都市創造本部渋谷戦略事業部 副事業部長
太田 雅文 氏

 以前より「若者の街」として知られ、若者文化や情報の発信基地としての地位を今なお確立している「渋谷」。しかし近年、渋谷には最先端のITやスタートアップ企業が集積し、さまざまなイノベーションの街へと変容しつつある。Google(同)の本社機能が六本木から再度渋谷に戻り、「渋谷ストリーム」に入居。「渋谷スクランブルスクエア」東棟には、サイバーエージェントの広告事業を中心とした部門およびグループ会社、mixi本社がそれぞれ入居することを明らかにしている。渋谷は「100年に一度の再開発」を期に、グローバル都市へと生まれ変わろうとしている。今回、東京急行電鉄(株)(東急電鉄)都市創造本部渋谷戦略事業部の太田雅文副事業部長に、「これまでの渋谷とこれからの渋谷」について話を聞いた。

渋谷100年に一度の大改造のキッカケとは?

 ――まず、渋谷の沿革からお願いします。

かつての東横百貨店(提供:東急電鉄)

 太田 1885年の日本鉄道品川線(現・山手線)の開通にともない、渋谷駅は誕生しました。東急グループと渋谷の関係は、23年後の1907年に玉川電気鉄道玉川線が開業し、渋谷と道玄坂をつないだことから始まりました。20年には、渋谷駅の駅舎が移転し、電車やバスの乗り入れを開始。乗降客が増加するなかで、東日本初の本格的なターミナルデパートとして東横百貨店(後の東急百貨店東横店)がオープンしました。

 東横百貨店をオープンした理由は、沿線住民が休日に渋谷で買い物できるようにするためです。50年代に入ると、後の東急百貨店東横店西館となる東急会館、4つの映画館、日本最大級のプラネタリウムを含む総合文化施設・東急文化会館などが開業し、渋谷は戦後復興とともに急速に賑わいました。東横百貨店屋上には数年だけロープウェーも置かれ、60年代になるとNHK放送センターが内幸町から渋谷に移転し、渋谷は買い物するだけではなく東京の文化拠点として発展しました。この時期から、パルコや西武百貨店も出店し、渋谷は「若者の街」と呼ばれるようになりました。

 90年代には、渋谷発のポップミュージックが「渋谷系」と呼ばれたり、センター街エリアを中心に「コギャル」など独自の若者文化が形成されました。98年の小渕内閣時には、経済が不振であったことから緊急経済対策を講じることとなりましたが、そのインフラ整備の一環として、東京メトロ有楽町線の新線池袋駅を渋谷まで延伸する副都心線構想が運輸政策審議会で答申されました。また、答申はされていませんでしたが、東京メトロ副都心線と東急東横線の相互乗り入れ構想を実現することになりました。

 さらに2005年に、渋谷駅を中心に半径600~700mを範囲とする約139haというエリアが都市再生緊急整備地域に指定されました。

 「渋谷駅周辺再開発」は、副都心線と東横線相互乗り入れ構想とリンクしていますので、今から約20年前に着手しました。渋谷大改造の第1号は、12年の「渋谷ヒカリエ」開業です。「渋谷ヒカリエ」の前身は、明治通りに面していた東急文化会館で、東急文化会館解体後は、副都心線地下鉄の工事ヤードとして使われていました。その後、08年6月に副都心線が開業、「渋谷ヒカリエ」完成後の13年に副都心線と東横線の相互乗り入れが実現しました。そして17年の「渋谷キャスト」、18年9月13日に開業した「渋谷ストリーム」「渋谷ブリッジ」、渋谷駅の直上に位置する「渋谷スクランブルスクエア第Ⅰ期(東棟)」の工事に着手して、現在に至ります。

 ざっとお話ししてきましたが、これが渋谷の歴史です。2020年には東京五輪が開催されますが、タイミング的にも渋谷は大きく変わっていきます。

「渋谷スクランブルスクエア」mixi本社などが入居

 ――「100年に一度の渋谷大改造」と東京五輪とが重なり、良いタイミングでしたね。

 太田 実は、東京五輪は1回落選していますよね。再チャレンジしたときに、五輪が東京に来ることになったので、ちょうど良いタイミングでした。
 東京全体で再開発が盛んに動いていますが、工程を詰めれば2020年に間に合うとのことで、公共施設も民間工事も含めて2020年を1つのゴールとして工事を実施しているところもあります。五輪は、再開発などの工事を進展させる効果があるのです。もし、東京に五輪が来なければ、これだけの再開発が同時多発的に進展しなかった可能性があります。何とか東京五輪に間に合わせようということで、発注者も受注者も多くのリソースを割いています。

(つづく)

【長井 雄一朗】

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

     

トップニュース

2020年11月24日 17:26

「クイーンズヒルゴルフ場を守る会」発足

 クラブ会員が「ザ・クイーンズヒルゴルフクラブ」の運営会社・(株)ザ・クイーンズヒルゴルフ場に対して民事再生手続きの開始を申請している問題で、同クラブ前理事長・出光芳...

福岡感染症診療の砦の1つとして新型コロナと対峙した医療人の誇りと志

 『人によって示す症状の程度があまりにも多彩であり、重症化の予測ができません。さらに、感染症の経過が極めて長いため、無症状感染者から水平伝播するという点で想定外の感染...

2020年11月24日 16:44

佐世保道路工事、22.9億円でフジタJVが落札

 NEXCO西日本九州支社発注の「令和2年度佐世保道路佐々工事」を、フジタ・大豊建設JVが22億9,200万円(税別)で落札した...

2020年11月24日 16:35

代理戦争の山口宇部市長選~林派の篠崎圭二元県議が初当選

   宇部市長選挙は久保田后子前市長の辞任により、15日告示され22日が投開票日となった。市選挙管理委員会によると、当日有権者数は13万7,036人(男6万4,435...

2020年11月24日 16:05

最近の日本出張で日本の防疫体制について感じたこと(前)

 日本の取引先と緊急に打ち合わせをする必要に迫られ、筆者は数カ月ぶりに韓国から日本に出張した。日本への出張は、日本と韓国の両国の防疫体制を比較できる良い機会となった。...

2020年11月24日 15:48

引き分けで2位を堅持 福岡1-1山形

 サッカーJ2リーグのアビスパ福岡は21日、ホームのベスト電器スタジアムにモンテディオ山形を迎え、第35節の試合を行った...

2020年11月24日 15:27

久留米競輪場再整備事業、市場調査実施へ

 久留米市は、久留米競輪場の再整備事業を実施するにあたり、民間事業者のノウハウを最大限活用すべく、サウンディング型市場調査を行う...

2020年11月24日 15:14

熊本知事がダム容認で方針転換 五木村に対し謝罪

 熊本県知事の蒲島郁夫氏は19日、2008年の就任後、白紙にしていた球磨川支流の川辺川でのダム建設を容認することを表明した…

2020年11月24日 14:28

【企業研究】ロイヤルホールディングス~コロナ禍で飛行機が飛ばず、創業事業の機内食事業が壊滅的な打撃!(1)

 外食大手の2020年7~9月期決算では、主要13中5社が最終赤字だった。新型コロナウイルスの影響による落ち込みは4~6月期で底打ちしたと見られていたが、人件費や賃料...

2020年11月24日 13:57

88店舗目で九州初出店!急成長のコインランドリー「Baluko Laundry Place」が福岡市東区にオープン!

 セルフランドリーとカフェが1つになった複合型ランドリー&カフェ「Baluko Laundry Place(バルコランドリープレイス)」が、11月20日、福岡市東区多...

pagetop