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2019年06月25日 13:34

波乱を乗り越えて3期目へ 小川県政「令和時代の福岡」を語る(1)

福岡県知事 小川 洋 氏

 4月7日に行われた福岡県知事選挙で3期目の当選を決めた、小川洋・福岡県知事(70)。過去2度の知事選で小川知事を推した自民党が対立候補を立てる「保守分裂」選挙となったが、安定した県政運営からくる県民の信頼と抜群の知名度を背景に、結果は圧勝。体調不安説などもあったなか、対立候補を推した国会議員に対する県民の不信感などもあって、小川県政が信任を得たかたちだ。そして知事選から1カ月後、「令和」の新時代を迎えた。経済が停滞するなか雇用不安や老後に対する不安も尽きない。小川県政はどうやって県民に安心、安全を打ち出すのか。

選挙を終えて第3期目の抱負

 ――まずは、3期目のご当選、おめでとうございます。まずは、これまでの実績と選挙を終えての感想をお聞かせください。

 小川洋福岡県知事(以下、小川) この8年間で3度の豪雨災害に見舞われました。2012年の災害についてはすべて復旧が完了しましたが、一昨年、昨年の災害については、現在、復旧・復興に全力で取り組んでいるところです。こうした災害はあったものの、県民の皆さまから、御理解、御支援をいただき、また、県民の皆さまのご努力もあり、福岡県はとても元気になっています。

 知事就任以来、力を入れてきた「グリーンアジア国際戦略総合特区」(税制上の支援などを受けられる総合特区として11年に指定)を活用した設備投資は、累計で3,000億円を突破し、1,600人を超える新たな雇用が生まれています。また、企業誘致では、ユニ・チャームプロダクツ(株)が、同社最大級の工場を苅田町に建設し、(株)資生堂は、「久留米・うきは工業団地」に、九州で初めて工場を建設することが決まりました。

3期目、初登庁時の小川知事

 このほか、県産農林水産物の昨年度の輸出額は、過去最高の34億円となりました。ユネスコの世界文化遺産登録、在福岡タイ王国総領事館開設、ラグビーワールドカップ2019日本大会(ラグビーW杯)の本県開催、東九州自動車道と八木山バイパス4車線化の事業着手などが実現しました。これまで蒔いてきた種が、確実に花を咲かせつつあります。

 そして、このたび、多くの県民の皆さまにご支持をいただき、引き続き県政を担当させていただくことになりました。

 選挙中、行く先々で、私の演説に熱心に耳を傾けてくれる方、力強くしっかり握手をしてくれる方、大きな声援を掛けてくれる方たちが多くいらっしゃいました。そして、県内各地で、地域の皆さまの「自分たちの地域をもっと良くしたい」「元気にしたい」という強い思い、そして、県政に対する大きな期待を痛感しました。改めて、身の引き締まる思いです。

 ――続いて、今後の県政における抱負をお聞かせください。

 小川 「令和」という新しい時代になりました。私はこれからの4年間、県民の皆さま、県内の各産業、各地域を元気にし、福岡県を発展させ、前進させていくことに全力を尽くしてまいります。

 第1に、何より「豪雨災害の復旧・復興」です。一昨年、昨年の豪雨災害の復旧・復興については、まさにこれからが正念場です。そのため、まず、被災者の皆さまの生活再建を図るため、災害公営住宅などを着実に完成させるとともに、朝倉市、東峰村と協力し、住宅再建に向けたきめ細かな支援を行い、被災者の皆さまがその住まいを確保できるよう取り組んでいきます。道路、河川、治山ダムなどの公共土木施設はもとより、産地の復興のため、農地、農業用施設の復旧を加速し、目に見えるような進捗を図り、1日も早い被災地の復旧・復興を成し遂げます。

 そして、「時代の変化への対応」です。現在、私たちは、大きな時代の変化に直面しています。AI(人工知能)、IoT(モノのインターネット)など最新技術を駆使した新たな産業革命、いわゆる「第4次産業革命」と、「人生100年時代」の到来です。この2つの大きな変化を的確に捉え、これに対応してまいります。

 まず、「第4次産業革命」への取り組みとして、中小企業や農林水産業の現場に、それぞれの実態とニーズに適したAI、IoT、ロボットといった最新技術を導入することにより、「中小企業の生産性向上」「スマート農林水産業」を実現し、成長産業への転換を図ってまいります。

 一方で、AIや次世代通信による自動運転技術の進化は、過疎地域や高齢者の移動手段の確保につながり、また、AIとロボット技術の融合は、介護負担を大幅に軽減することから、この分野での人手不足の解消につながるものです。これらの最新技術の導入に先導的に取り組むことにより、本県経済の成長・発展だけでなく、地域交通や保健医療、介護福祉など、幅広い分野における人材不足、サービスの向上、働き方改革といった社会的課題の解決を図ってまいります。

 そして、もう1つ、「人生100年時代」の到来への対応です。

 我が国は、世界有数の長寿国となりましたが、生涯にわたり安心して暮らし、そして元気に活躍し続けるためには、健康寿命をさらに延ばしていくことが重要です。

 このため、県民1人ひとりの健康寿命を延ばす「ふくおか健康づくり県民運動」と、スポーツの力で県民生活を元気にする「スポーツ立県福岡」を推進し、その相乗効果により、県民の皆さまを健康で元気にしてまいります。そして、本県がこれまで進めてきた「70歳現役社会づくり」の基盤のうえに立ち、100年の人生を充実して過ごせる「100年グッドライフ福岡県」の構築を目指します。

 福岡県は、前の年より人口が増加した7都県の1つですが、やがて人口減少に転じると予測されており、将来の人口減少や超高齢化社会に備えていく「地方創生」が喫緊の課題です。

 この大きな課題に立ち向かっていくため、誰もが住み慣れたところで、働き、長く元気に暮らし、安心してお子さんを産み育てていくことができる地域社会をつくっていくこと、そして、弱い立場にある方々に寄り添う「温かみのある行政」を今まで以上に推進します。

(つづく)

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