2024年04月26日( 金 )

進化する宅配ボックス~日本宅配システム

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宅配ボックスプラザ
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集合住宅発祥も住宅全般に浸透中

 国内で取り扱われる宅配便の数は年間42億個(2017年度:国交省)。高さ平均10cmと仮定すると地球1周分の荷物が日本中を駆けめぐっていることになる。宅配便数はEC市場の拡大を受けて増加を続けてきたが、その内、16%が再配達を余儀なくされている(19年4月:同)。

 物流業者の負担が増しているなかで、宅配ボックスの普及が進んでいる。2000年頃より新築分譲マンションへの導入が増加し、賃貸マンションへと拡大。現在ではアパートや戸建住宅でも宅配ボックスの設置が進んでいる。

 日本宅配システム(株)は、企画製造、販売、設置、メンテナンス、サポートサービスまでを手がける専業メーカーだ。専業メーカーとしての強みを武器に利用者の支持を広げ、これまでに2万3,000棟以上のマンションに宅配ボックスを導入してきた。

クリーニング、レンタカーキー受け渡しも

 1993年に設立した日本宅配システムは、宅配ボックスの普及が加速した2000年以降、生鮮品対象の冷蔵ボックスや英語案内タイプなど立て続けに多様な製品、サービスを開発している。現在は受け取りだけでなく宅配便、クリーニングの集配可能な製品もそろえる。

 こうしたなか、目覚ましい進化を遂げているのがレンタカーやカーシェアリング、レンタサイクルなどのオンラインサービスだ。データを一元管理できるのがオンラインサービスの強みで、空き状況の確認、予約、課金などを宅配ボックス、連動カーシェアリング、レンタサイクルでオンラインサービスを提供している。また、電気自動車の普及にともない、充電システムの提供も開始した。

閉じ込め事故0、災害被害なし

 宅配ボックスの普及は、子どもの閉じ込め事故や盗難・紛失などの新たな課題も生んでいる。同社製品は内側から解錠する装置や人感センサーなどで、もしもの場合に備えている。盗難・紛失防止に向けて定番モデルには履歴が残る暗証番号式を採用し、郵便ポストと一体となった「メール一体型」製品も荷物を抜き取りにくい構造にするなど工夫している。

 宅配ボックスは高い頻度で、長期間にわたり利用するため、やがて不具合が生じる時が来る。地震や台風など自然災害の多い日本では、宅配ボックスの転倒などの不測の事態にも備えなければならない。ワンストップサービスを行う同社はメンテナンス専門部隊を内製化している。サポート契約により毎年の点検・調整や緊急トラブル対応まで自社で責任をもつ、という考え方だ。こうした取り組みにより、創業以来、閉じ込めと転倒事故は発生していない。

アクロス福岡にショールーム

 同社では宅配ボックスの機能を体感してもらうために全国9カ所にショールームを開設している。福岡には98年から拠点を構えていたが、今年3月にアクロス福岡にショールームを開設。予約して来場すると実際にタッチパネルに触れて機能やサービスを体感することができる。

 国土交通省が建築基準法の規制緩和を進めるなか、今後は住宅以外のビルや医療施設など、さまざまな建築物において宅配ボックスの導入が予想されるため、同社はさらなるニーズの多様化・高度化に対応できるように体制を整えている。

4月に開設した福岡の宅配ボックスプラザ
4月に開設した福岡の宅配ボックスプラザ

■日本宅配システム(株)

代表:淺井泰夫
所在地:(本社)名古屋市東区葵1丁目25番1号 ニッシンビル4F
TEL:(052)935-0111
FAX:(052)935-1173

(九州支社・ショールーム)福岡市中央区天神1丁目1番1号アクロス福岡5F
TEL:(092)781-8739
FAX:(092)781-8738
設立:1993年4月
URL:https://www.j-d-sys.com/

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