2024年04月20日( 土 )

【業界ウォッチ】デニーズ「グランダイナー」

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 「ガスト」「デニーズ」「ロイヤルホスト」といったファミレスは一頃の勢いは失われたが、新たな業態で市場を活性化する動きが見られる。

 デニーズのセブン&アイ・フードシステムズは、2018年12月にこれまでのファミリーレストランとは一線を画した高付加価値のレストランとして「Denny’s Diner YAKUMO PRESTIGE」、19年4月に「GranDiner (グランダイナー)HATAGAYA PRESTIGE」を、既存のデニーズをリニューアルし業態変更してオープンした。

 19年7月には三軒茶屋に新規店舗として「GranDiner」を出店。そして、9月13日、東京都武蔵野市に「GranDiner グランダイナー KICHIJOJI PRESTIGE プレステージ 」を出店した。

 同店は、吉祥寺駅の南口より徒歩2 分のところに新たにオープンする商業施設「HULIC &New KICHIJOJI」の4階に出店した。いずれの店舗も都内にある。

 いままでの3店舗における顧客の要望や意見などを積極的に取り入れることで、ブラッシュアップした。

 グランダイナーのキーメッセージは「おいしい時間(とき)へようこそ」で、「料理」と「空間」でくつろぎの時間を提供する。

 同社はこれまでデニーズを中心に、チェーンストアとして全店舗で共通の料理とサービスを提供してきたが、「GranDiner」は、より顧客のニーズの多様化に対応し、それぞれの立地やライフスタイルに見合った価値を持続的に提供していくことをめざす新しいブランド。今後も積極的に出店を行っていく計画だ。

 メインメニューは、黒毛和牛などこだわりの素材を使用し、より素材の持つ美味しさを引き出すよう溶岩で焼き上げた肉料理。小麦の持つ風味を生かした絶妙な食感のパスタ類化学調味料を使用せず仕立てた手づくりのデリカテッセンもそろえ、ワインも豊富に用意。パティシエ考案の手づくりにこだわった自家製デザートも提供する。

 平成の時代、ファミレスはまさしくファミリー層に親しまれ、若者も取り込み、成長してきた。しかし、生活者のウォンツやニーズも変化し、レストランの総合業態としてのファミレスも時代と乖離し、まだ、明快な答えは出ていないが、新たな道を模索している。

 これからも新しいバージョンのファミレスの登場が予想される。いずれにしても画一的なチェーン経営から個店経営にシフトし、そのなかで事業の採算性をどう担保するかも問われている。

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