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2019年11月21日 11:11

スーパーマーケット 表の事情と裏の事情(15)~揚げ物ばかりの総菜売り場

 惣菜のポイントは「選べる質と量」だ。店舗にとって生産性を考えると揚げ物が一番良い。加工のほとんどを店の外で行えるからだ。店舗では揚げるだけだから手間ひまは加工食品に近い。しかも、客数や時間帯を考えて商品づくりができるのだから効率的だ。

 しかし、これがお客から見ると「揚げ物しか売っていない」というイメージになる。弁当などの他の商品も効率重視で提供することになるから、お客の食指を動かすには価格ということになる。いわゆる1g1円とか298円弁当の類いだ。

 そんな売り場をつくって質を上げて単価を・・ということになってもお客には受け入れられない。お客には懐事情とイメージがあるからだ。百貨店では1g4~7円という価格でも売れるが日常型のスーパーマーケットでそんな商品を提供してもまず、売れない。

 スーパーマーケットで総菜売り場を強化しようと思えば、夕方の売り場づくりだ。総菜売り場は昼のピークに向かって商品をつくり、昼のお客が一段落した後、夕方の品ぞろえをする。

 しかし、それは夕方の5時あたりをピークに考えるのが一般的だ。それを過ぎると見切りに入る。夕方5時を過ぎると担当従業員はいなくなり、アルバイト社員が値下げシールを貼る。夜7時になると売り場の商品は質、量ともに惨憺たるものだ。

 「この商品は午後3時につくりました」。午後4時に売り場に来る主婦にとってその表示は魅力的だが、午後8時前に店にきた主婦やOLにとってそれは何の有難味もない。

 やがてそれはさらに値下げされる。翌朝出勤した担当者は「残ってなくてよかった」となる。残ってなくてよかったのは従業員でお客ではない。しかし、少なくない店でこの流れは日常的に繰り返される。

【筑前 太郎】

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