• このエントリーをはてなブックマークに追加
2019年12月02日 10:45

フクシマ事故と東京オリンピック

 NetIB-Newsでは、政治経済学者の植草一秀氏のブログ記事から一部を抜粋して紹介する。今回は東京五輪の開催を返上すべきだと訴えた12月1日付の記事を紹介する。


 2013年9月7日、アルゼンチンのブレノスアイレスで開かれたIOC(国際オリンピック委員会)総会。2020年夏のオリンピック招致に向けて、安倍首相は次のように述べた。

 「フクシマについて、お案じの向きには、私から保証をいたします。状況は、統御されています」

 英語での表現はこうだ。

“The situation is under control.”

 「東京には、いかなる悪影響にしろ、これまで及ぼしたことはなく、今後とも及ぼすことはありません。」さらに、安倍首相は質疑応答で次のように答えた。

 「汚染水による影響は、福島第一原発の港湾内の、0・3平方kmの範囲内で完全にブロックされています」しかし、現実には福島第一原発の貯水タンクからは毎日300tもの高濃度汚染水が漏洩(ろうえい)していた。

 汚染水が地下水に到達していたことも明らかになっていた。東京電力は、2011年4月4日から10日にかけて、港湾内に1万393tの放射能汚染水を意図的に放出した。そして東電は、1日で港湾内の海水の44%が港湾外の海水と交換されていることを明らかにした。

 港湾と外海は遮断されていない。港湾は外海に接し、港湾内の汚染水は1日で約半分が外海の海水と交換されていた。

 40年以上にわたり、原発をなくすための研究と運動を続けている、元京都大学原子炉実験所助教の小出裕章氏が新著を刊行される。

『フクシマ事故と東京オリンピック【7カ国語対応】』
“The disaster in Fukushima and the 2020 Tokyo Olympics”
(小出裕章著、径書房)

 あとがきで小出氏は「私は自分の本を出すことに興味がなく、本を出すために文章を書いたことはない。しかし、止むに止まれぬ思いで書いた文章を、多くの人に届けて下さるというお申し出はありがたいことと思う。」と記されている。

 「筆舌に尽くしがたい被害と被害者が生まれた。一方、原発の破局的事故は決して起こらないと嘘をついてきた国や東京電力は、誰一人として責任を取ろうとしないし、処罰もされていない。絶大な権力を持つ彼らは、教育とマスコミを使ってフクシマ事故を忘れさせる作戦に出た。そして、東京オリンピックのお祭り騒ぎに国民の目を集めることで、フクシマ事故をなきものし、一度は止まった原発を再稼働させようとしている。フクシマ事故が起きた当日に発令された「原子力緊急事態宣言」は事故から8年経った今も解除できないままである。しかし、国民のほとんどはその事実すら知らない。」

 「そんな時、イタリア在住の楠本淳子さんが私に一文を書くように勧めてくれた。彼女はそれを世界各国のオリンピック委員会に送るという。」

 「そこで私は「フクシマ事故と東京オリンピック」という文章を書いた。その文章に今回、径書房が目を止めてくれ、7カ国語に翻訳したうえで、出版してくれることになった。」

 こうして誕生したのが『フクシマ事故と東京オリンピック』である。

※続きは12月1日のメルマガ版「植草一秀の『知られざる真実』」「数百万人の同胞を棄てる悪徳国家権力」で。


▼関連リンク
・植草一秀の『知られざる真実』

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

     

トップニュース

2021年03月03日 17:16

『脊振の自然に魅せられて』素晴らしき脊振の霧氷(後)

 気象台レーダー作業道に足を入れると、純白の雪道が西へまっすぐ続いていた。1月にスキーを試み、深い雪に難儀した場所である。2人で新雪の道に足跡を付けて歩いた。新雪を歩...

2021年03月03日 17:00

中国経済新聞に学ぶ~中国、2020年に新生児30%減少(後)

 中国の人口が伸びない主な原因は、現代的都市化現象であり、都市化が皆の生活期待値を広く向上させ、子どもの養育の基本コストをも高めている...

2021年03月03日 16:46

【凡学一生の自戦体験記2】新たな組織詐欺事件か

 2月25日(木)の午前中の福岡県警の南警察署員による事情聴取は、冷静に振り返ってみると重大な不条理のオンパレードであった...

2021年03月03日 16:20

LINE、Yahooが防災デジタル化~デジタル庁創設に向けて自民党デジタル社会推進本部が委員会を開催(後)

 Yahooは自宅、実家、勤務先など国内最大3拠点と、位置情報を利用した現在地へ防災速報を通知するサービスを行っている。利用者は2,000万人以上。加えて、Yahoo...

2021年03月03日 15:59

別府市のマンション設計偽装~大分県は早急に県内の建物調査を行うべき(1)

 Net IB Newsでは、構造設計一級建築士・仲盛昭二氏が所有する大分県別府市の分譲マンション「ラ・ポート別府」について、仲盛氏が広瀬大分県知事に送付した質問状に...

コロナ禍において月間最高売上達成 さらなる高みを目指して

 (株)ジェムキャッスルゆきざきは1978年2月、前社長である柚木崎政秋氏(現会長)が福岡県那珂川町(現・那珂川市)で創業、86年10月に設立された...

コロナ禍で風向きが変わる医療業界 「縁の下の力持ち」民間検査機関の使命

 医療や食品に関わる民間検査センターとして創業50年を越える(株)シー・アール・シー。CRCグループは「医」「食」「環境」と健康をトータルで捉え、あらゆる検査を受託し...

2021年03月03日 15:00

ポスト・コロナ時代をどう生きるか?変化する国家・地域・企業・個人、そして技術の役割(2)

 『WHO(世界保健機関)の調査チームが武漢を訪れていますが、発生源の特定にはまだ数年かかる見込みです。一方、「新型コロナウイルスの特効薬が開発されてウイルスへの恐れ...

2021年03月03日 14:35

都道県別民営事業所数~最多は東京都の91.4万事業所、福岡は26万事業所で全国6位

 総務省統計局は昨年12月、都道府県別の民営事業所数とその増減を発表した。それによると全国の事業所数は約640万事業所で、2016年の調査から14.7%の増加となった...

2021年03月03日 14:30

ワクチン接種開始とその後の展開(後)

 mRNAワクチンは、3つの課題を解決して実用化されている。1つ目は、mRNAが細胞に入って初めてタンパク質をつくることができる点だ。RNAは分子量が大きくて、そのま...

pagetop