2024年04月27日( 土 )

「第45回(2019年度)発明大賞」発表!~本賞に「柔軟触覚センサー」のタッチエンス

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 3月6日、日本発明振興協会と日刊工業新聞社共催の「第45回(2019年度)発明大賞」に22件の発明が選ばれた。発明大賞は発明考案を通して産業の発展や国民生活の向上に寄与した資本金10億円以下の中堅・中小企業や個人、グループに贈られる。

 45回目となる発明大賞のグランプリ「本賞」には、「柔軟触覚センサー」を発明したタッチエンス株式会社(本社:東京都台東区)が選ばれた。

 同社が発明した「柔軟触覚センサー」は、光センサーとスポンジを組み合わせた柔らかい触覚センサー。

 水平面にセンサーを配置して、スポンジが変形した時の密度の変化量を光透過率で定量的に評価するセンサーで、縦方向だけでなく横方向の変形も検出できる。センサー自体の耐久性の低下の原因だったケーブルもなくし、異物感のないスポンジセンサーの柔らかさを実現した。

 人間の五感を再現する「五感センサー」技術の開発は発展途上で、現在もっとも研究が進んでいるのが視覚センサーで、「触覚」、「嗅覚」、「聴覚」、「臭覚」を担うセンサーの研究開発も進められている。

 タッチエンス株式会社は、東京大学、日本政策金融公庫などと連携した産学官連携型のベンチャー企業で、触覚センサーである「ショッカクキューブ」や「ショッカクチップ」などを開発している。

 同社の「柔軟触覚センサー」は、三次元方向の変異検出が可能な世界初の触覚センサー。

 センサー自体が可変性に優れるため、柔軟なものに埋め込むことが可能で、自然の手触りを実現した。

 今後、IT技術とロボティクス技術と融合して、人の手と同じような感覚で人に代わって労働を務めるサービスロボットの発展に寄与すると注目されている。

 なお、第45回(2019年度)発明大賞の表彰式は、新型コロナウイルス感染拡大防止のため、中止となった。

【TMS】

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