九大箱崎キャンパス跡地再開発で説明会~URが新たに道路や自転車レーン整備へ
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2020年08月31日 07:00

九大箱崎キャンパス跡地再開発で説明会~URが新たに道路や自転車レーン整備へ

九大跡地として残す都市計画

 100年の歴史を有する九州大学・箱崎キャンパス跡地の開発が始まる――。事業予定者である(独)都市再生機構九州支社(以下UR都市機構)は8月20日、九大旧工学部本館で近隣住民を対象とした説明会を開催した。

近代建築物として保存される旧工学部校舎・九大正門など

 UR都市機構は、2016年11月に九州大学と箱崎キャンパス跡地の「南エリア」での共同事業連携を締結しており、基盤整備(造成工、外周道路工、下水工)を担当している。説明会には、福岡市および九州大学の各担当者が出席。主に道路の拡幅についての説明が行われた。また、同エリアでの新たな建築物については、「今後、公募を行い、民間事業者の提案によって決定する予定」といい、どの場所に、どのような建物が建設されるかの具体的な説明はなかった。だが、配布された資料によれば、住宅、商業・サービス施設、にぎわい施設、生活支援施設、業務・研究施設の建設が予定されている。

 キャンパス跡地内の4カ所に公園と史跡指定地が設置されるほか、各所に災害時の一時的な避難場所やイベント開催時に利用できるスペースとなる「街角広場」が設けられるという。大学施設の旧工学部本館、本部第1校舎、九大正門、正門門衛所、煉瓦塀の一部については、近代建築物として保存・活用することが決まっているほか、東区筥松にある箱崎中学校が移転することが予定されている。

 UR都市機構は、具体的な造成計画として盛土および切土をする場所や、宅地および道路の地盤の高さなどの予定について、現状と比較しながら説明を行った。

道路拡幅~新たな動線

 周辺道路については、全体的にキャンパス跡地側に拡幅される。キャンパス跡地の南北を通り抜けるかたちで、新たに「都市計画道路堅粕箱崎線」(片側2車線・道路幅員28~31m予定)および「原田箱崎線」(片側1車線・道路幅員19m予定)をつくり、JR高架下の道路と国道3号線につながる動線として整備。加えて、自転車も安全に通行できるよう、自転車レーンも整備する。

 地下鉄箱崎線貝塚駅付近の道路については、アクセス性および交通結節機能の強化を図るため、国道3号からの自動車動線を確保するとともに、駅前広場の整備など駅周辺道路の環境改善を行う。ほかの外周道路も、通行利便性や安全性向上を図るための拡幅を行い、現状では幅が狭いところもある歩道についても、歩行者の交通量や隣接する土地利用の自由度に配慮した整備を行うとしている。

 道路整備については、福岡市でも国道3号線に面する跡地としてふさわしい景観の形成を目指している。南北エリアをつなぐ空間として、統一感を生み出せる街路樹の整備や景観に努める一方で、北側に見える立花山を望む景観軸を意識した眺望に配慮した空間形成を図るとしている。

土地利用計画平面図

近隣住民から多くの要望

 質疑応答では、開発推進についての異議などの声はなかったが、工事内容や取り組みについては、近隣住民から質問や要望が相次いだ。

 国道3号線側に住む住民からは、「建物の解体工事のときから自宅に砂塵が多く入った。工事期間は十分な散水をしてほしい」との要望があった。「解体予定の原子力研究をしていた校舎の状況について聞きたい」との問いに対しては、「放射線除染で処理まで約1年半かかる」と回答。

 また、九大正門付近の大学通りについて、都市計画道路ができることによる渋滞が発生しやすくなる可能性について指摘。十分な歩道が確保されていないため、外周道路の拡幅だけでなく、電柱地中化などの要望が寄せられ、これに対して「歩行者の安全のため、今まで歩道がなかった場所にも確保する予定」と回答した。このほか、「箱崎中学校移転による騒音について懸念している」との質問については、「福岡市教育委員会で検討中」との回答にとどめた。

 今後のスケジュールについては、8月末までに開発事前協議申請を行い、関係部局との同意・協議の下、9月中旬には正式に申請を実施。UR都市機構は、今回説明した基盤整備について「請負者は未定」としているが、21年2月に工事説明会を開催し、3月より工事を開始。23年3月に完了を予定している。

【小山 仁】

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