2024年04月16日( 火 )

リモートワーク化で利用増クラウド契約・クラウドサイン(中)

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契約オンライン化で印紙コスト削減

 オンライン契約は紙の契約書とは異なり、印紙税が課税されないため、建設業ではとくにコストメリットが大きく、収入印紙のコスト削減のためにクラウドサインが利用されている。また不動産業でも、クラウドサインを利用すれば顧客が来店せずに賃貸借契約ができるため、契約作業時間が短縮され、コストが削減される。

 ハウスメーカーのタマホーム(株)では、平均して年間約8,000~9,000棟の建築の施工前に締結する工事請負契約や、工事開始後の追加変更工事契約や一部変更合意契約でクラウドサインを利用し、年間8,000~9,000万円を超える印紙コストの削減を試算している。クラウドサインの有料プラン利用料は月額固定費用が1~10万円で、契約書1通あたりの送信費用が200円のため、多くの場合で予算規模は年間数百万円となる。また、(株)技研製作所でも、印紙代などのコスト削減や業務時間短縮のため、クラウドサインが利用されている。

 法改正により、不動産取引ではほぼすべての契約()でオンライン契約が可能になった。クラウドサインは賃貸借契約で多く利用されている。不動産取引では、電子契約を締結したときも法律上は重要事項説明書などの書面交付義務があるが、国土交通省が19年10月1日にスタートした「IT重説社会実験」により、賃貸借取引では契約前の重要事項説明書や、契約後の契約内容説明書の相手方へのオンライン交付が可能となった。クラウドサインは、賃貸取引での重要事項説明書などの電子交付で利用できる。また売買取引でも、同省は社会実験で契約締結前の重要事項説明や締結後の契約内容説明のオンライン化を開始している。

 クラウドサインは不動産テック企業のイタンジ(株)とシステム連携し、入居希望者が部屋探しから内見、入居の申込、賃貸借契約までをスマホで完結できるセルフ内見型賃貸サイト「電子契約君」により、店舗への来店なしで賃貸契約の締結を可能にした。また、三井不動産リアルティ(株)は、賃貸借契約サービスでクラウドサインを利用し、これまで紙では約2週間かかっていた契約手続きを、最短で1日に短縮できているという。

 書面の交付が必須とされてきたマンション管理業務委託契約は、21年3月にオンライン化が可能になる。定期建物賃貸借契約、宅地建物売買等媒介契約、不動産売買契約の重要事項説明書などの交付は、現時点では紙書面での締結や交付が義務付けられているが、将来的には、売買取引でも重要事項説明書などのオンライン交付が可能になると見込まれている。ただし、どこまでオンライン化できるかは、今後の法改正の動向次第だ。

クラウドサインの電子契約の仕組み

※公正証書作成など書面化が求められる定期賃貸借契約、宅地建物売買等媒介契約、マンション管理業務委託契約では書面での契約、宅地建物売買などの契約締結前の重要事項説明や締結後の契約内容説明は書面での交付が必要。 ^

(つづく)

【石井 ゆかり】

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