2024年07月21日( 日 )

トランプ大統領の怒りを買った安倍前首相のキューバ政策(中)

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 NetIB-Newsでは、「未来トレンド分析シリーズ」の連載でもお馴染みの国際政治経済学者の浜田和幸氏のメルマガ「浜田和幸の世界最新トレンドとビジネスチャンス」から、一部を抜粋して紹介する。今回は、2020年10月16日付の記事を紹介する。


 そうした情報収集活動の成果は対日工作にとって欠かせないものとなっている。安倍前首相はじめ政権中枢を担う人物の秘められた言動、とくに健康状態に関する情報は重要視されている。アメリカ政府は小学生のころにまで遡って、安倍前首相の病歴を詳細に調査していた。また、アメリカがとくに関心を寄せているのは、日本の政治家と海外の接点である。なかでも利権がらみの人的接点には内部の通報者の確保を含め徹底的な監視の目が注がれている。

 具体的にいえば、菅新総理のお膝元でもある横浜周辺におけるカジノ誘致にからむ中国やアメリカ企業の動き。次世代通信網システム「5G」をめぐる総務省、経産省、防衛省内の動きや欧米ならびに中国企業による市場争奪戦。アメリカ政府が日本への売り込みに熱心な防衛関連技術の国内パートナー企業と外国企業との接点。こうした分野の利権に係わる族議員や業界関連議員の動静は日夜を問わず注視対象になってきた。

(略)

 繰り返すが、アメリカ政府は安倍前首相の行動には最大限の関心を寄せていた。日本ではまったく問題視されることはなかったが、同首相がアメリカ政府の警戒心を一挙に高めたことがあった。それは2016年9月のキューバ訪問である。日本とキューバは400年を越える交流の歴史があったが、日本の首相がキューバを訪問することは一度もなかった。

 ラウル・カストロ議長の招請を受け、昭恵夫人とともにキューバを訪れた安倍首相はキューバの経済社会の発展に尽力することを内外に宣言した。アメリカの制裁を受け、経済的には厳しい状況下にあったキューバに対し、日本は債務救済措置を発動。キューバにとっては救世主となった感すらあるのが安倍首相だ。

 首都ハバナにおいて安倍首相は「20年の東京オリンピックではキューバと日本が公式種目となった野球の決勝戦で対決するのを見たい」とまでスポーツ大国キューバを持ち上げた。これにアメリカ政府は苛立った。ケネディ政権時に世界を震撼とさせた「ミサイル危機」以来、アメリカはキューバへの警戒心を解いていないからだ。

 アメリカにとって、とくに大統領選挙を間近に控えるトランプ大統領にとっては、再選のカギを握るのは「中国問題」である。新型コロナウィルスの元凶も中国。アメリカ人の雇用を奪っているのも中国。アメリカ各地で暴徒化する「黒人差別反対運動」を陰で操っているのも中国。すべての不都合の責任を中国に押し付けているのがトランプ大統領である。

 トランプ流の解釈では、その諸悪の根源と位置付ける中国と連携し、アメリカに対する破壊工作を進めているのがキューバというわけだ。カリブ海に浮かぶキューバはアメリカを攻撃するにはもってこいの戦略的な位置を占めている。旧ソ連が密かにミサイルを持ち込んだ理由もそこにあった。米軍の分析によれば、現在、キューバは中国、ロシア、イランと協力し、アメリカ国内の通信網を妨害、破壊する動きを進めているとのこと。南米の独裁国家ベネズエラとも手を携え、アメリカの裏庭において対米破壊工作に邁進しているともいわれる。

※続きは10月23日のメルマガ版「トランプ大統領の怒りを買った安倍前首相のキューバ政策(中編)」で。


著者:浜田和幸
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