2024年12月11日( 水 )

巨大財政支出を市民生活支援に使え

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 NetIB-Newsでは、政治経済学者の植草一秀氏のブログ記事を抜粋して紹介する。今回は、「内閣は財政危機と言いながら、選挙での見返りを期待して一部の企業への資金投下など巨大積極財政を実行。積極財政はすべての国民の生活を支えるために実行すべきだが、利権対象にしか実行していない」と訴えた10月27日付の記事を紹介する。


臨時国会が本格的に始動する。
菅内閣は9月16日に発足した。
40日が経過して、ようやく所信が表明された。
極めて動作が緩慢だ。

この間に重大事案が表面化した。
日本学術会議会員の任命拒否問題だ。
日本学術会議法は会員の推薦、任命方法を明確に定めている。
具体的な運用方法については、過去の国会での政府答弁が明確化している。
菅首相による6名の会員候補の任命拒否は法律違反行為であると判断できる。

法律違反を是認するわけにはいかない。
そして、問題は単なる法律違反にとどまらない。
憲法が保障する「学問の自由」への不当な介入、制限であると考えられる。

6名の会員候補を排除したのは杉田和博官房副長官であると見られている。
6名の科学者が政府に批判的な言動をしたことを理由に、学術会議の会員に任命することを杉田副長官が阻止したと見られている。

完全な違法行為だ。
問題を解決するには任命拒否を撤回して、6名の候補者を任命するしかないはずだが、菅内閣はまだ対応していない。

菅首相は学術会議の在り方を検討する方針を示しているが、学術会議の在り方を検討しても、任命拒否問題の解決にはつながらない。
論理的な思考能力が欠落しているように見える。

国会では野党が厳しく問題を追及することになると思われるが、菅首相は逃げずに真摯な対応を示す必要がある。
そうでなければ、内閣支持率は一気に急落することになるだろう。

臨時国会の重要テーマが3つある。
学術会議任命拒否問題
種苗法改定
ワクチン接種賠償責任免責法案
の3つだ。
いずれも極めて重大な問題だ。

学術会議会員任命拒否は、6名の候補が政府に批判的な言動を示した、政府に批判的な活動に関与した、などが背景と見られている。
学者の政治的指向を背景に会員任命に首相が介入することは学術会議法によって正当化されない。
明らかな法律違反行為だ。
菅内閣のファッショ的性格を如実に表すもの。
内閣総辞職を求められる程度の問題だ。

種苗法改定はハゲタカ資本に利益を供与するために、日本農業と日本の消費者の利益を犠牲にするもの。
新品種の育種権者保護は種苗法を改定しなくても実現できる。
現行法の下でも海外に流出した種子による損害賠償事案は解決されている。
種苗法改定により、農家が生育する農産物の大半において、自家採種が禁止されることになる可能性が高い。

日本農業を破壊するだけでなく、農産品を消費する消費者の利益が著しく侵害されることになる。
食料自給率のさらなる低下がもたらされる可能性も高い。
ハゲタカ資本に日本を売り渡す法改定を阻止しなければならない。

コロナ問題が拡大し、政府がワクチンを買い上げることが既定路線にされかかっているが、ワクチンの有効性も安全性も確立されていない。
そもそも、コロナウイルス感染症についての重大な疑惑もまったく解消されていない。

DR. ライナー・フュルミヒ弁護士による問題提起などが示す、コロナ疑惑が濃厚に存在する。
https://www.bitchute.com/video/rKIpJ8s8jIP9/
コロナ騒動はワクチン利権を獲得するための壮大な作為物である疑いを払拭できない。

政策連合(オールジャパン平和と共生)主催「政策連合で政権交代」総決起大会&松元ヒロ公演が10月28日(水)午後5時半より四谷区民ホールで開催される。
https://bit.ly/3jrYOCk

第1部のみオンライン同時開催される。
オンライン開催については、以下の案内を参照賜りたい。

集会オンライン同時開催のご案内

<日時>
10月28日(水)午後5時30分~午後6時45分 予定
※午後5時15分頃より順次入室可能です。

<参加方法>
Zoomでのオンライン開催になります。
※インストール・ご利用ともに無料ですので、事前にZoomアプリのご準備お願いいたします。

当日のZoomログインについて

▼参加の際には、以下のURLからご参加ください。
https://us02ウェブ.zoom.us/j/86162664960?pwd=Q01xdmZMNGlGQW1pK0pTeSs3NEo1UT09

パスコード:384644
ウェビナーID:861 6266 4960

※受講いただく場所のインターネット環境やメディアの状態により、映像や音声乱れや不具合が生じる場合もございます。
その際には、一切責任を負いかねることをご了承ください。
また、設定いたしました利用者数上限を超えますと、アクセスができなくなります。
この点はZOOMより表示が出されますので、ウェビナーでの参加が不能の場合には、後日公開いたしますYouTube動画をご高覧賜りますようお願いいたします。
オンライン開催は第1部のみで第2部のオンライン開催はありません。

「政策連合で政権交代-総決起集会&松元ヒロ公演-」は東京メトロ新宿御苑駅2番出口から徒歩5分の場所にある四谷区民ホールにて開催される。
https://shinjuku.hall-info.jp/yotsuya/

スケジュールは

<第1部>
午後5時30分~午後6時45分
「政策連合で政権交代」決起集会

<第2部>
午後7時~午後8時30分
「松元ヒロさんオンステージ」

閉会あいさつ

の予定。
プログラムは以下の通り。

【第1部】
午後5時30分~午後6時55分 
「政策連合で政権交代」総決起集会
(オンライン開催)

<開会挨拶兼講演「コロナと日本政治」>
 原中勝征(元日本医師会会長)

<ごあいさつ>
 三雲崇正(新宿区議会議員)

<基調講演>
 鳩山友紀夫(元内閣総理大臣)

<新しい生活様式?>
 斎藤貴男(ジャーナリスト)

<総選挙への決意表明>
 川内博史(立憲民主党衆議院議員)
 宮本 徹(日本共産党衆議院議員)
 篠原 孝(立憲民主党衆議院議員)

<有機給食が社会を変える>
 安田節子(政策連合運営委員)

<総選挙政策公約の提言>
 植草一秀(政策連合運営委員)

【第2部】
午後7時10分~午後8時40分 
「松元ヒロさんオンステージ」
(オンライン開催なし)

<公演>
 松元ヒロ

<閉会あいさつ>
 山田正彦(元農林水産大臣)

日本政治を変えるには政権交代が必要不可欠だ。
私たちが求める政策を実現する新しい政権を樹立することが必要だ。
そのためには、政策を基軸に大きな連帯を構築することが必要。

基本となる政策は
平和主義の堅持
原発ゼロ
共生の経済政策
である。

菅内閣の経済政策の基本に何が置かれるのか。
明白だ。
弱肉強食推進・弱肉強食容認の経済政策が踏襲される。
「自助・共助・公助」というのは「公助」には力を注がないという意思表示だ。
その一方で利権支出は激増につぐ激増の方向にある。

2020年度当初予算での一般会計、特別会計歳出純計は244兆円だが、そのうち、国債費が85兆円、社会保障関係費が95兆円、地方交付税が20兆円を占めており、社会保障以外の政策支出は32兆円しかない。

これが国の1年間の財政支出なのだ。
それなのに、20年度はすでに2次にわたる補正予算で58兆円の政府支出が決定された。
13兆円だけは1人10万円の一律給付金で透明だが、残りの45兆円は極めて不透明だ。

内閣の小遣いともいえる予備費に10兆円も計上された。
企業への支援金に18兆円もの巨大資金が投下されている。
企業への資金投下は選挙に際しての集票と献金での見返りを期待して実施されるもの。

これだけの資金を投下するなら、本当に生活に困窮するすべての国民を救済することができるはず。
財政危機と言いながら巨大積極財政を実行しており、矛盾している。
積極財政をできないのではなく、積極財政をやらなかっただけ。

積極財政を実行するなら、すべての国民の生活を支えるために実行すべきだが、そうではなく、利権になる対象にしか実行しない。
最低賃金を全国一律1,500円に引き上げれば、大多数の労働者の生活が一変する。
一握りの巨大資本の利益ではなく、一般庶民の生活を支える経済政策が求められているのだ。

この経済政策を明確にして、政策の旗の下に結集する。
すべての選挙区の候補者を一本化して総選挙で過半数議席を獲得する。
「政策連合で政権交代」を必ず実現しなければならない。


▼関連リンク
植草一秀の『知られざる真実』

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