【中洲ビル動向】出店問い合わせ増加も地価調査で市内唯一の下落
-
9年ぶりに地価下落
国土交通省(以下、国交省)が公表している「地価公示」によれば、中洲の標準地点(中洲5丁目23番1外、用途地域:商業)における地価は、上昇基調で推移。21年1月1日時点の地価は1m2あたり121万円で、15年1月1日の47万円から比較すると74万円の上昇だった。
しかし、「地価調査」の調査結果(21年7月1日時点)では、中洲の基準地点(中洲4丁目33番1外、用途地域:商業)の地価は同191万円だった。これは1年前と比較して4万円の下落で、中洲の地価下落は実に9年ぶり。ちなみに、地価調査における福岡市内の基準地点168地点(住宅地107、商業地57、工業地4)のなかで、対前年変動率がマイナスとなったのは、中洲だけだった。
こうした現実は、中洲エリアにおける不動産売買にも影響をおよぼすことになりそうだ。実際、不動産売買などを手がけるA社は、「中洲エリアに関しては、今でも一部の人たちがある物件に興味をもつというケースはありますが、実際に地上げられた土地は売れずに困っているというのが現状です」と所感を述べる。
また、建築主が(株)teamB、設計者が(株)三浦紀之建築工房で進められていた「(仮称)中洲2丁目プロジェクト」の計画地となっていた場所では、工事が進んでおらず、駐車場としての利用が続いている。現所有者は、2016年8月にこの土地を売買によって取得していた。計画されていた建築物は、RC造9階建の飲食ビルだった。
福岡市全体の商業地を見わたすと、地価は依然として上昇基調にあり活況を呈しているが、前述した通り中洲だけが取り残された格好になっている。ただし、こうした歓楽街における地価低迷は、福岡に限った話ではない。東京の新宿・歌舞伎町や大阪のミナミ(難波)、といった有名な歓楽街でも、先の都道府県地価調査では、中洲と同じように地価は下落傾向にある。中洲に限らず、コロナ禍で徹底された三密回避による「夜の街」への忌避は、しばらく尾を引きそうだ。
【代 源太朗/坂田 憲治】
法人名
関連記事
2024年5月5日 06:002024年5月2日 15:452024年5月2日 11:302024年5月2日 18:002024年5月2日 17:502024年5月1日 15:002024年4月25日 14:00
最近の人気記事
まちかど風景
- 優良企業を集めた求人サイト
-
Premium Search 求人を探す
- 業界注目!特集
-
産廃処理最前線
サステナブルな社会を目指す
- MAX WORLD監修
-
パーム油やPKSの情報を発信
パームエナジーニュース