【中洲ビル動向】出店問い合わせ増加も地価調査で市内唯一の下落
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テナント新陳代謝は活発
中洲のエリア内には、多くのテナントビルがひしめき合っている。なかには、築40年以上が経過した旧耐震基準で建設された建物も少なくない。日常的な使用に耐え得る利便性の向上、安全性の確保のために改修工事が必要不可欠なビルもあるが、地域特性に支えられた誘客力の高さもあり、コロナ以前は相応数のテナントが定着していた。
ただ、コロナ後は立地の良し悪しに関わらず、空きテナントが出てきている。こうした現状を目にすると、中洲はかつての勢いを失ったようにも見えるが、コロナ禍で新たに開業した店舗も少なくない。ライン不動産(株)の管理物件だけで見ても、会員制のバーやナイトカフェなど、少なくとも50店舗以上が直近1年のうちに新規出店をはたした。
コロナ禍での休業や時短営業要請によって、以前のように稼げなくなったキャストが独立・開業したケースもあり、退店と出店のバランスが取れているのかいないのか、素人目には判断は難しい。中洲川端、店屋、冷泉、祇園町エリアを中心にマンション・土地の売買仲介、ビル・テナントの管理を手がける(株)福一不動産は、次のように語る。
「コロナ禍においても“変わらない”というのが率直な感想です。テナント募集をかければ、すぐに次が決まります。多くの方がイメージされているような、コロナ禍の影響でテナントの退店が続き、次が決まらずに空き物件が増えているということは決してありません。当社への新規出店にともなう物件の問い合わせは、コロナ以前に比べて約15%増で、むしろ増えています」。
同社によると、家賃に関しても、新築物件に関しては建設工事費の高騰などの影響を受けて高めの設定になっているが、既存物件については大きく上振れも下振れもしていないという。また、とくに東京、大阪といった大都市圏から問い合わせが増えているとのこと。東京、大阪と比較すれば、福岡・中洲はまだ家賃相場も安く感じられるのだろう。コロナ禍を商機ととらえ、出店攻勢に出ている事業者も相当数いるようで、県外からの中洲進出への機運が高まっている様子がうかがえる。
新たな飲食店ビルの建設も進んでいる。中洲川端駅から徒歩5分程度の好立地で計画されているのは、「(仮称)中洲4丁目人形小路プロジェクト新築工事」。建築物の概要は、S造(一部RC造)の地上6階(地下1階)建て。建築主は北九州の不動産業者、(株)ウインズビル、設計者は(株)三浦紀之建築工房で、着工は21年12月ごろを予定している。
【代 源太朗/坂田 憲治】
法人名
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