2024年05月06日( 月 )

フレキシブルオフィスのマルチブランド展開で、あらゆる層に最適なオフィスを提供

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日本リージャスホールディングス(株)
代表取締役 西岡 真吾 氏

(聞き手:永上 隼人)

場所ではなく「物件」優先

 ――出店に際して重要視するポイントは、どこに設定しているのでしょうか。

 西岡 乱暴に聞こえるかもしれませんが、出店は47都道府県のどこだって良いのです。当社の開発戦略は良いオーナー、良い物件との出会いに支えられています。

 たとえば、次の拠点開発地を山口市に定めたとしても、そこに良い物件があり、共同事業体を組んでくれるオーナーがいるとは限らない。しかし、計画を立てた以上は拠点を開設しなければならなくなる。この場合、本来手を出すべきではない案件にも、手を出さざるを得ない状況が生まれてしまいます。

 当社は一度借りたら、そのビルが取り壊しになるまで事業運営を続ける覚悟で出店します。言い換えれば、原則、退店を考慮しない方針を取っているのです。日本進出から23年間、退店したケースはビルの取り壊しやリノベーション工事にともなうオーナーからの退店依頼で、こちらから退店の決断をしたことは、今のところ一度もありません。

 ――無理をしない、これを徹底されているわけですね。

 西岡 その分、物件へのこだわりは強いです。当社の場合、最低でも120坪以上は必要であり、そこから最寄り駅までのアクセス、周辺家賃などを調査し、「では、その条件下でどうすれば事業として成り立つのか」を考えます。

 この条件下における最適なプランは、コミュニティ形成も可能なスペーシズかもしれない、事前調査結果から、ハイグレードなリージャスのほうがビルのバリューアップを図りやすいかもしれない、という風に、やりたいコトが先にあって、それに応じた物件を探すのではなく、物件に応じてやりたいコト・やれるコトを見出していくというのが当社の事業の進め方です。

 ――オーナーの理解を得るのは、容易ではないと思われます。

 西岡 当社の変動賃料の考え方に対して、オーナーの理解を得られるようになるまで、やはり数年はかかりました。

 賃料収入は、本来安定的に固定額を受け取るものですから、収益に応じた変動賃料を提案されて簡単に了承してくれるわけがありません。物件の仕様もこちらが要求するわけですから、なおさらです。

 これについては、何より信用していただくほかありませんので、過去の実績、周辺事業所の状況など、こちらから提出できる資料は丁寧に開示してきました。実績を重ねることで、徐々にオーナーの不安を解消していったのです。今では、ありがたいことに既存のオーナーから別の物件での契約や、別のビルオーナーをご紹介いただけるようにもなりました。

オープンオフィス
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【文・構成:代 源太朗】

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