旧筑肥線を偲び現在を楽しむ、六本松~小笹エリアの隠れた散歩道
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細い道がたくさん
六本松には、多くの細い路地がある。その路地の先に、店が隠れていることもある。そんな隠れ家的な店を見つけるのも六本松の楽しみ方といえるが、なかにはひと1人がやっと通れるような「本当に細い道」がたくさん存在する。そんな細い道の入り口を見つけたら、それがどこにつながっているのかが気になるのが人というもの。筆者が見つけた細い道をいくつか紹介したい。
ここでいう「細い道」は、自動車で走って探してもほぼ見つからない。しかも、道によっては、地図にも載っていない。贅沢に時間を使って歩くからこそ見つけられる、特別な入口なのだ。
そして、ここで注意しなければならないのは、当然ながら他人の土地に勝手に踏み入ってはならないということ。事前に確認してみると、土地の境界を示す「境界標」から見て、この細い道は私有地ではないようだった。そこで、こうした六本松のたくさんの細い道に、何か謂れや意味があるのか福岡市に問い合わせみたが、「とくに把握していない」との回答だった。(13、14、15、16)
この「細い道」だが、あえて「路地」とは言葉を使い分けたい。一般的な路地と違って、自動車やバイクはまず通れないほど道幅が狭いのだ。自転車でも、対向車がいればすれ違うことは不可能な幅だ。不思議なことにいつ歩いても、何度通っても、誰ともすれ違ったことがないのだが…。
あるT字路の突きあたりには、「石敢當」と彫られた小さい石板が張り付けてあった。筆者には何と読むのかもわからないものだったが、あとで調べると「いしがんとう」「いしがんどう」「せきかんとう」「せっかんとう」など地域によって読み方が多少違うものらしい。元は中国由来で、T字路の突あたりに設置する魔除けとのこと。日本では、主に鹿児島や沖縄にあるそうだが、中国、台湾、香港、マカオ、シンガポール、ミャンマーにも存在するという。そんな広い範囲で使われている物なのにまったく知らなかった筆者が不勉強なのか、それだけ特別なものなのか、とにかく珍しいものを発見した。
こういった小さな発見は、何だか日常を少しだけワクワクさせる。ぜひ、こうした「細い道」の探索を楽しんでみてほしい。(17)
【外部ライター・奥野 晃一】
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