2021年下半期 福岡市の開発動向、マンション供給戸数で博多区が台頭
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西区、糸島としてブランディング
南区同様、21年上半期と比較して300戸以上供給戸数が減少した西区。マンション供給も一段落ついたかと思われる。
注目される物件は、JR姪浜駅から徒歩10圏内の場所で計画されている、建築主・(株)サワライズ、設計者・上村建設(株)による「(仮称)姪の浜1丁目マンション新築工事」。建築物の概要は、RC造9階建て、延床面積2,599.80m2のワンルーム外30戸。
マンション以外に目を移すと、近年は隣接する糸島市がブランド化に成功したことを受け、「糸島」の名を冠して進められる計画が少なくない。西区の一部(今宿など)も糸島半島に含まれるため、このブランディング戦略は一定の誘客効果を生むものと考えられる。
注目されるのは、食品工場や物流倉庫の設計・建設などを手がける(株)フリーザーシステムによる「(仮称)糸島シーサイドホテル新築工事」。建築物の概要はRC造4F建て、延床面積1,431.11m2。
姪浜以西において糸島ブランドを活用した物件開発は、これから増えていくことが予想される。
城南区・早良区、明暗分かれる結果に
城南区と早良区の21年下半期における供給戸数は、明暗がはっきりと分かれる結果になった。城南区は21年上半期比で226戸増加。西日本鉄道(株)と三菱地所レジデンス(株)を建築主とする「(仮称)福岡市城南区鳥飼7丁目計画」が供給戸数を押し上げた。建築物の概要は、RC造11階建て、延床面積11,927.19m2のワンルーム外137戸。設計を、(株)Gデザインアソシエイツが手がける。
対して、早良区は21年上半期比で228戸減となった。城南区のような大型物件の計画が少なく、供給戸数が20戸以上の物件は8件にとどまるなど、上半期の勢いを維持することができなかった。
注目される物件は、西日本鉄道(株)による「(仮称)百道一丁目計画新築工事」。建築物の概要は、RC造7階建て、延床面積2,108.63m2のワンルーム外23戸。設計は、(株)エヌプラスアーキテクトデザインオフィスが手がける。
城南区は、福岡大学の存在、油山や樋井川といた自然に恵まれた文教地区および居住区としてポテンシャルは高い。一方の早良区は、西南学院大学や高級住宅街・百道浜を擁しており、ハイソな雰囲気をまとったエリアだ。商業施設「マークイズ福岡ももち」も距離的に近いことから、とくに高所得者層の居住区として申し分ない水準にあるといえる。
両エリアともに発展の余地は十分に残されており、今後どのようなまちづくりが進むのか注目される。
22年もマンション市場は賑わうのか
オミクロン株による第6波の到来を受け、コロナ対応が引き続き求められるものの、商業施設「ららぽーと福岡」の開業や「旧大名小学校跡地活用事業」の供用開始(ザ・リッツ・カールトン福岡は23年春頃開業予定)などが控えており、まちづくりに関して明るい話題は少なくない。
また、コロナ禍で在宅時間が増えたからこそ、人々の住まいに対する関心が高まっているともいえる。福岡市内においては、天神ビッグバンや博多コネクティッドを足がかりに、22年も引き続き都市開発は活発に進むものと考えられる。
(了)
【代 源太朗】
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