2022年06月27日( 月 )
by データ・マックス

山口FGの再建を考える 関係者、読者からの声(1)

 NetIB-Newsには、山口FG関係者や読者から数多くの山口FG再建策が寄せられている。その内のいくつかを以下に紹介していく。

山口FGの再建案

(1)九州の地銀グループとの統合

 最も多く寄せられた意見は、九州の地銀グループと統合するという意見だった。

 九州の地銀グループは、ふくおかフィナンシャルグループ(ふくおかFG)、西日本フィナンシャルグループ(西日本FH)、九州フィナンシャルグループ(九州FG)の3グループに集約されつつあり、いずれかとの統合を行うというものである。

 なお、2021年3月末時点での各グループの総資産は次のとおりであり、ふくおかFG以外の3グループは同規模だということが分かる。

 ふくおかFG: 27兆5100億円 
 九州FG  : 12兆2040億円
 西日本FH : 12兆755億円
 山口FG  : 11兆9937億円

■ふくおかフィナンシャルグループ(ふくおかFG)

 九州だけでなく、全国でも総資産で地銀グループトップとなったふくおかFGとの統合となると、山口FGは吸収される側になるだろう。しかし、山口FGの現役社員からも、ふくおかFGとの統合を支持する声が多く寄せられている。現在の閉塞した状況を何とか打開したいという思いがあるのかもしれない。また、この統合が実現すれば、ふくおかFGのノウハウを中国地方で展開できるという意見もあった。ふくおかFGにとっても総資産規模40兆円が視界に入り、圧倒的規模の地銀グループへと飛躍することができるメリットがある。

 しかし、NetIB-Newsではこの統合はないと考える。山口FGには広島を本拠とするもみじ銀行がある。一方、ふくおかFGは広島銀行と親密な関係である。ふくおかFGが広島銀行との関係を悪化させてまで山口FGとの統合に踏み切るとは思えない。むしろ、山口県を地盤とする西京銀行と統合し、広島銀行とともに山口銀行の「挟み込み」を狙っているのではないだろうか。

■西日本フィナンシャルホールディングス(西日本FH)

 山口FGとの統合は、ふくおかFGに引き離されるばかりの西日本FHにとってまたとないチャンスである。全国の地銀グループにおいても、ふくおかFGに次ぐ2位となり、再びふくおかFGに迫ることができる。

 西日本FHと山口FGの総資産は同規模である。山口FGにとっても対等合併となり面子が保たれるという意見があった。しかし、成長する福岡市を本拠とする西日本FHは今後も規模拡大が見込まれるため、山口FGが置かれた状況とは異なる。また、統合後の本店は福岡市以外にあり得ない。早晩、山口FGは吸収された側の立場となるであろう。

 統合にあたって問題になるのは北九州銀行の取り扱いである。北九州市は政令指定都市とはいえ、福岡県内に複数の銀行を展開するのは非効率である。しかも、北九州銀行は本店を置く北九州市においても福岡銀行、西日本シティ銀行に大きく引き離されている。西日本シティ銀行は、西日本銀行と福岡シティ銀行の合併によって誕生した。このような経緯からも、西日本FHとしては西日本シティ銀行との合併を求めるものと思われる。本店と傘下銀行1行を失う山口FGがこれを受け入れられるかどうかが鍵になってくるだろう。

■九州フィナンシャルグループ(九州FG)

 九州FGも山口FGをやや上回る程度の総資産規模であり、対等での統合交渉が行える相手である。やはり、実現すれば全国で2番手の地銀グループ誕生ということになる。

 ふくおかFGや西日本FHと比べて地域の重複もないため、障壁が少ないものと思われ、統合が実現すれば成長する福岡都市圏を強化していくことが可能となるかもしれない。おそらく、本店機能はどちらも本拠地ではない福岡市となり、双方に受け入れやすいものと思われる。

 ただ、九州FGも肥後銀行と鹿児島銀行の融合が完了したようには見えず、更なる統合を行う余裕はないかもしれない。みずほフィナンシャルグループのような旧3行が主導権を争うような状況は忌避すべきという意見が大勢を占めることも考えられる。

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 他にも、山陰合同銀行や中国銀行、大分銀行といった近隣の地方銀行との統合という意見もあったが、その可能性は極めて低いと考える。各行とも規模では山口FGに劣っており、統合は山口FGの傘下となることを意味する。山口FGのお家騒動やパワハラ体質は各種報道で知れ渡っており、株主や従業員といったステークホルダーの賛同も得にくいだろう。

【表】九州地銀の金融グループの純資産残高(連結)順位表
【表】九州地銀の金融グループの純資産残高(連結)順位表

(つづく)

【特別取材班】

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