2024年04月20日( 土 )

スペワ跡にアウトレット誕生へ 北九州開発動向2022(前)

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4月28日に開業を迎える「THE-OUTLETS-KITAKYUSHU」
4月28日に開業を迎える「THE OUTLETS KITAKYUSHU」

4月28日にいよいよ開業、スペワ跡地の「THE OUTLETS」

 2022年4月28日、北九州市八幡東区のスペースワールド跡地で「THE OUTLETS KITAKYUSHU(ジ アウトレット北九州)」がオープンを迎える。

 「THE OUTLETS(ジ アウトレット)」は、イオンモール(株)が「地方創生型商業施設」と銘打って展開する業態で、今回の北九州での開業は18年4月開業の広島に次ぐ2号店となる。ジ アウトレット北九州では、スペースワールド跡地の約27万m2の敷地内に、S造・地上4階建、延床面積約5万7,000m2の建物を建てるほか、約4,500台分の駐車場(敷地外含む)や約800台分の駐輪場を整備。全体の出店店舗数は約170店舗で、そのうち約140店舗はファッション、スポーツ、アウトドアなどのブランドショップで構成される。

THE-OUTLETS-KITAKYUSHU施設概要
THE OUTLETS KITAKYUSHU施設概要

    エリア内は大きく「アウトレット」と「エンターテインメント」「アクティベーションフィールド」の3つのエリアに分かれ、アウトレットエリアは「センターストリート」「ノースストリート」「サウスストリート」「サウススクエア」、などで構成。全体としてオープンエアな環境を最大限生かし、各ストリートにテーマ性をもった植栽景観を構築することで、公園を散歩しながらショッピングを楽しめるような、居心地の良さが感じられる環境空間の実現を目指している。また、各ストリートの先にはフードトラックやカフェを併設し、開放感あふれる芝生空間を計画しており、来場客や地域の方々との交流の場としての活用も見込んでいる。

北九州市立児童文化科学館を移転・リニューアルする「スペースLABO」
北九州市立児童文化科学館を
移転・リニューアルする「スペースLABO」

    全体のコンセプトとして「Meet Amazing Emotion」を掲げ、「LIFE ENTERTAINMENT」「SUSTAINABLE ACTION」「アウトレットショッピング体験」の3つの価値を提供するとしている。そのうちLIFE ENTERTAINMENTでは、従来型のコンテンツ提供型エンターテインメントだけでなく、「学び」と「遊び」を融合させて好奇心や向上心を刺激する「エデュテインメント」を提供。エンターテインメントエリア内には、21年末に閉館した北九州市立児童文化科学館が「スペースLABO」として移転・リニューアルオープンするほか、西日本エリア初の体験型英語教育施設「KITAKYUSHU GLOBAL GATEWAY」やアミューズメントパーク「ASOBLE」、ギラヴァンツ北九州運営のフットサルスクール「Gira Park HIGASHIDA」などが登場する。また、陸上用トラック・芝生広場を備えた約3,000m2のアクティベーションフィールドを設置。イベント開催や地域との交流の場として活用し、なりたい自分を叶える新しいモノや体験への出会いを創出するとしている。

 なお、ジ アウトレット北九州の南側に隣接する「イオンモール八幡東」(06年11月オープン)では、21年秋からスタートしていた2期にわたるリニューアルを完了させ、4月15日に第2期グランドリニューアルオープンを迎える。ジ アウトレット北九州とイオンモール八幡東の両方を運営するイオンモールでは、両施設をブリッジで連結したうえで一体事業と位置付けて運営を行っていくとしており、両施設を合わせた規模は、敷地面積約33万6,000m2、延床面積約14万600m2、店舗数約300店舗となる。また、両施設だけでなく、周辺の「北九州市立いのちのたび博物館」などの八幡東田地区内の博物館群や、北九州市などの関係機関との共創により、「学び」を通じた拠点性を確立。関門連携情報発信アンテナショップ「ひまわりテラス」の出店や北九州市観光案内カウンターの設置、北九州空港からの新規バス路線開設、皿倉山ケーブルカーへの無料シャトルバス新設といった取り組みを行い、地域住民だけではなく国内外からの観光客も来店する施設を目指す方針を掲げている。

隣接する「イオンモール八幡東」とブリッジで連結する
隣接する「イオンモール八幡東」とブリッジで連結する

 17年末に閉園したスペースワールドの跡地が、約4年半の刻を経ていよいよ生まれ変わるかたちとなるジ アウトレット北九州。はたしてスペースワールドに替わる新たなランドマークとして、地域活性化の起爆剤となり得るのか――。グランドオープンが目前に迫るなか、否が応でも注目が集まっている。

【坂田 憲治】

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