2022年06月28日( 火 )
by データ・マックス

「地元発展に貢献する」 創業の志を未来永劫に継ぐ(前)

大高建設(株)

 「物流建設のオオタカ」─物流建設のエキスパートである大高建設(株)。創業者で現会長・大木孝朋氏は2018年5月に代表取締役および取締役から退き、後進に経営を託した。孝朋氏の子息・大木孝一郎代表取締役社長と彼を支える役員・幹部により、同社の体制はいっそう強固となった。同社の歴史を回顧しながら、現在そして未来についてレポートする。

物流建築のパイオニア

大高建設(株) 会長 大木 孝朋 氏
大高建設(株) 会長 大木 孝朋 氏

    創業47年、「これまで紆余曲折がありましたが、4年前に事業承継が実現でき、取締役を退任しました。新体制は、代表取締役社長に長男の大木孝一郎、代表取締役副社長に前・日鉄エンジニアリング(株)九州支社長・徳永利美氏が就き、同じく日鉄エンジニアリングから常務取締役と執行役員2名の人材支援を受け、おかげさまで当社の事業承継は実現できました。感謝の極みです」と語る大木孝朋会長。

 同社は大木氏と高崎彰一氏の両名により、1975年3月に設立された。設立以前は両名とも、岡崎工業(株)福岡支店に勤務し、物流施設の建築に携わっていた。岡崎工業に勤務していた当時は、東区多の津の流通センターの開発を担当し、企画力と鉄骨建築の技術力により、業界内で高い評価を受けていた。しかし、オイルショックの影響で、岡崎工業福岡支店が閉鎖となった。両名の送別会で流通センターの地権者や関係者から、「大木さんと高崎さんに居てもらわないと困る。我々が全面的に支援するので、引き続き福岡の流通業務地区の開発に尽力してほしい」と要請され、送別会は新会社設立の決起集会となった。同社の商号は、大木氏と高崎氏の頭文字を合わせたものであることは一目瞭然。「私が岡崎工業時代に福岡担当となり、福岡県内の運輸・物流事業の中核団体である“福岡県運輸事業協同組合連合会”(福岡市博多区)の設立(1963年7月)とともに、歴代の理事長の下に出入りすることとなりました。連合会との出会いの歴史が、私の軌跡でもあるのです」「いわゆる物流建設の最初の取り組みでした。同連合会とのご縁があって、我が社があるのです。当初は7人で創業しました。同志である高崎彰一氏ならびに社員5人にも感謝の言葉しかありません」(大木会長)。

 設立以来、「地元福岡に貢献する」という思いから、福岡県を拠点として活動している。東区の大規模流通施設である「福岡インター流通パーク」はJA粕屋傘下の(株)かすやとともに、企画・開発から参画し、6棟・約14万m2の物流施設を建設した。鉄骨造の大規模および中小の物流施設を中心に、工場・オフィスビル・医療福祉施設・商業施設・集合住宅など、さまざまな分野の建物を福岡の街に築いている。

高い企画力と技術力

 同社は「顧客の期待に応えること」を最優先として、企画力と技術力を磨き続ける。「顧客がどのような課題を抱えているのか」「建物をつくる目的は何か」などを明らかにして、顧客との信頼関係を積み上げていく。信頼関係の下、顧客とともに建築物をつくり上げることを徹底するのが同社だ。加えて、業界内外から「大高建設の技術力は地場トップクラス」といわれるように、高い技術力が評価されている。

 高い技術力の裏づけとして、同社には一級建築士15人、一級施工管理技士21人が在籍していることが挙げられる。また同社は、資格取得の支援を積極的に実施している。同社の技術担当者は一級建築士、一級施工管理技士の資格取得を目指しており、「一級建築士、一級施工管理技士であることは必須」という方向性が、技術集団として高いレベルを保っている要因の1つである。

 高い技術力と豊富な実績の裏づけにより、「鉄骨造の大高」のブランドは業界で認知され、顧客の評価も高く、リピート率は100%に近い。今後も顧客との確たる信頼関係を醸成すべく、同社だからできる建物を提供し続けることを志し、「突き抜けた強みを追求する」をテーマに切磋琢磨して成長を続ける考えだ。

物流施設建設のスペシャリストを目指して

 同社の経営理念は、「顧客の期待に応え技術の真髄を追求し、品質と安全を確保し、社員に幸せを与え地域社会に貢献する」。総合建設業としての基本姿勢を明確にし、わかりやすい言葉で表している。簡潔明瞭な経営理念を基に、同社社員は団結して、この基本姿勢を大切にしながら日々の仕事に尽力している。経営理念を実行に移す源は、前述した高い技術力による品質と安全の確保であり、顧客第一をモットーに、全社一丸となって事業を推進している。

 同社は、47年の歴史のなかで培ってきた実績と知識と能力を途切れなく次の世代へ正しく継承し続け、設立当初と変わらない理念の下で建物を提供している。同社の事業の根幹は、顧客と協力会社などのステークホルダー、そして社員全員が仲間としてともにつくり上げている姿勢だ。同社は「設立以来変わらず、地元において物流施設建設で一番となる」ことを目指している。

 物流施設の建設にあたり、同社は日鉄エンジニアリングのシステム建築「スタンパッケージ」を活用している。「スタンパッケージ」の特色は、在来工法の工期の約3分の1を短縮でき、設計・生産・施工の徹底したシステム化により適正廉価で提供すること。物流関連施設で豊富な実績を有する国内有数の建築工法である。

(つづく)

【河原 清明】


<COMPANY INFORMATION>
代 表:大木 孝一郎
所在地:福岡市博多区上牟田1-29-6
設 立:1975年3月
資本金:9,500万円
売上高:(21/3)47億6,480万円

(後)

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