スーパーゼネコン決算、「工事採算の低下」顕著に(後)
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5月13日までに竹中工務店を除くスーパーゼネコン4社の決算が出そろった(竹中工務店は12月決算かつ非上場)。全社が増収をはたしたが、資材価格高騰などによる工事採算性の低下から、鹿島建設と竹中工務店を除く3社が大幅減益を余儀なくされている。次期繰越高は増加傾向が続き、受注高も各社安定した数値で推移。今期予想は全社が増収予想とした。利益面では、「競争環境の激化」を懸念材料として挙げ、大林組と清水建設以外が減益予想する。建設投資は引き続き活況にありながらも、資材価格高騰に悩まされるスーパーゼネコン5社の直近決算を見てみよう。
鹿島建設(株)
唯一の売上高2兆円台
開発事業に係る営業外収益の増加などから、22年3月期の経常利益は1,521億円(同8.9%増)を計上。同期は手持工事の順調な進捗や海外関係会社の業績が好調だったことから、売上高は2兆796億円(同9.0%増)となり、3月決算の4社で唯一の増収増益をはたした。売上高も唯一の2兆円台、当期利益も1,000億円を確保。それでも、建築事業の粗利率低下は免れず、営業利益は3.1%減少している。
同社は中期経営計画で「中核事業の一層の強化」を掲げており、なかでも国内では首都圏に加え「地方中核都市」への投資拡充を図っている。福岡市では、「(仮称)九勧博多駅前三丁目計画」「(仮称)鹿島中洲中島町ビル」、そして大規模複合施設「福ビル街区建替プロジェクト」が着工に至った。今期は大型工事の本格化や北米の倉庫開発による物件売却などにより、売上高は2兆2,700億円(同9.2%増)を予想。利益面では資機材価格の上昇リスクを見込み、経常利益1,220億円(同19.8%減)を予想している。
【永上 隼人】
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