2024年05月17日( 金 )

「建物」「人」「財産」を守る防水工事業

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会員の意見を吸い上げ、労働環境の向上に

アスファルト防水(熱工法)
アスファルト防水(熱工法)

    ──全国防水工事業協会(以下、全防協)について、お聞かせください。

 津上 全防協は、建設産業に携わる専門工事業の1つである防水工事業者の団体です。1974年に任意団体である全国防水工事業団体連合会として発足し、防水工法別の連合組織をもって運営してまいりましたが、その後、91年12月に建設大臣より公益法人としての設立を許可されました。設立に際しては、従来の連合会の組織ではなく、防水工事業を営む個々の企業体を直結した単一組織に編成いたしました。その大きな理由として、協会が施主の求めに応じて、建物の用途、ライフサイクルに見合った適材適所の防水施工法を提案し、施工する優良な施工業者の団体を目指していこうという意図によるものです。その後、2013年4月に一般社団法人へと移行し、現在に至っています。

 現在は、正会員として防水専門工事業者673社、特別会員として各県の防水工事協会や東西アスファルト事業協同組合など52団体、賛助会員として防水材料メーカーや商社など43社があり、本部事務局のほか、地域ごとにエリア分けした9支部で構成されています。

 各都道府県や自治体には、(一社)福岡県防水工事業協会や福岡市防水事業協同組合など防水工事団体はたくさんありますが、そのなかでも全防協は、国土交通省との唯一の窓口となっています。

ウレタン塗膜防水
ウレタン塗膜防水

 ──全防協・九州沖縄支部の役割について、お聞かせください。

 津上 大きな役割としては、国交省などからの情報共有や行政との意見交換会などの実施です。九州沖縄支部だけだろうと思いますが、建設産業専門団体九州地区連合会(以下、建専連)主導で各県との意見交換会も行っており、いろいろな要望を直接伝える機会をつくっています。

 防水工事がほかの専門工事と違うのは、役所からの直発注があることです。そのため、いかに直発注を増やしていただくかについても意見交換会で提示することができます。我々にとっては、ものすごく必要な意見交換会なのです。さらには、その会を通じて、単価向上についても話し合っています。これがうまくいけば良い単価で取ることができ、ひいては実際に働いている人たちの賃金にも反映させることができるようになります。しかし残念ながら、九州各県のなかで福岡県だけは直発注がありません。

 また、当支部は建築施工管理技士試験などの直前講習会を、全国に先駆けてやり始めました。今では全国の各支部も開催していますが、我々が一番早かったですね。これは会員の従業員の方々の能力向上に対し、わずかでも寄与できればと思って行っております。

【内山 義之】


<プロフィール>
津上 和由
(つがみ・かずよし)
1954年3月生まれ。78年3月山口大学経済学部卒業後、同年4月より住友不動産(株)に入社。80年4月に津上産業(株)に入社し、2年間、中村瀝青工業(株)に出向。94年11月、津上産業(株)代表取締役に就任。2008年に(一社)全国防水工事業協会九州沖縄支部長に就任。 

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