経営者が知っておくべきDX「社会とDX」
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シリーズで解説してきましたDX(デジタル・トランスフォーメーション)。一区切りとなる今回は、「組織」「人財」と続いて、「社会」という観点から実践的にビジネスで取り組むためには何が必要かを掘り下げます。
本題に入る前に、ここまでを簡単におさらいしましょう。DXとは変革です。組織においては、透明性・俊敏性・全体性を高めることが求められます。一方、人財においては周囲を巻き込んで、創造的に取り組み続け、変革を楽しんでいくための能力と行動特性を身に着けることが重要です。では、社会という観点からは、何が必要となってくるのでしょうか。
まず、前提となる社会に対する考え方としては、次の3つが必要となります。
①社会の前提をデジタルとする
すでに日本のみならずグローバルで、デジタルは社会の前提となっています。そして今後も、この流れは加速します。まずは、その前提に立って物事を見る必要があります。
②自分事として社会共通のテーマに責任をもつ
一方で、SDGsやESGなど社会全体で取り組むべきテーマがあります。これらを他人事とせず、社会の一員として自分事として、その持続可能性に向き合うことが求められます。
③社会の持続可能性に対する自社の役割を明確にする
社会は持続可能でなければなりません。それは、単独組織や個人ではなし得ません。だからこそ、社会に対して自社がどんな役割をはたすのか、明確にすることが必要です。
これらを踏まえ、ビジネスを通じてどのように社会と関わればよいのか、次のように整理します。
A)厳しく自らの存在価値を検証する
社会から見た自分たちにはどんな価値があるのか、社会に対して十分にその役割をはたしているのか、不要な存在になっていないのか、を客観的に冷静に厳しく検証します。
B)真に社会に求められる投資をする
改めて今この時代の社会に、自社は何を為すことが求められているかを探究し、試行錯誤をします。それは、社会に必要とされ続けるための投資でもあります。
C)不格好でも社会に出し修正し続ける
そして、社会に必要とされる価値を現実的かつ具体的に提供することです。そこでは、スピードが重要です。さっさと世に出して、そしてどんどん修正することが必要です。
つまりは利己的な視点を排して、社会の視点から経営の在り方を見直し続けることが、DXには求められるのです。そして、その実現手段である組織や人財は非常に重要であり、これらを一貫して考えていくことが、現代経営の必然となっているのです。
<プロフィール>
渋谷 健 (しぶや・たけし)
フィールド・フロー(株) 代表取締役
外資系コンサルティングファーム、国内ベンチャー、国内大手企業経営戦略室を経て2014年にフィールド・フロー(株)を設立。「事業に脚本を」をコンセプトに、戦略立案からシステム開発や人財育成までを総合的に提供するオープン・イノベーション実践活動を全国展開。経済産業省・農林水産省などの政策事業、北九州市・宮崎県などの地方創生事業、大企業・金融・ベンチャーなどの民間事業に、プロの事業プロデューサー/ファシリテーターとして関わる。月刊誌 I・Bまちづくりに記事を書きませんか?
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