2024年04月15日( 月 )

【特別対談】組合の使命は「電気を安全にお届けする」

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福岡県電気工事業工業組合

“職人”ではなく“技術者” 全国大会で技を競う

 ──電気工事業というのは、建設業界のなかでも、とくに専門知識や資格が必要となるイメージです。

 樋口 おっしゃるように、電気工事業界では日進月歩で急速に多様化・高度化する技術への対応を求められますし、働く環境は日々大きく変化していっています。施工の際には感電のリスクは避けては通れませんし、他の専門工事業と比べても、安全面への配慮は慎重に行う必要があります。また、建設業界のなかでも電気工事業というのは、従事するために電気工事士法と電気工事業法(正式名称:電気工事業の業務の適正化に関する法律)という2つの法律が絡む唯一の業界であり、必要となる資格も国家資格で、その数も多いです。そのため業界では、自分たちのことを“職人”ではなく“技術者”と呼ばれることを好む者も多くいます。

 太陽光発電やEV充電設備などの新たな電気設備などの登場とともに、絶えず技術の研鑽や知識のアップデートを求められる業種ですので、先ほどお話ししたように福岡県工組でも、各種講習会の開催や新技術の情報共有などで組合員の支援を行っているところです。

 堀内 また業界では、電気工事技術者の資質および技術水準の向上や、電気工事業界全体のレベルアップなどを図ることを目的に、2014年11月から「電気工事技能競技全国大会」を開催しています。これは、我々の上部団体である全日電工連が主催となり、経済産業省・国土交通省・文部科学省などの後援を受けて行っているもので、全国約3万社のなかから各都道府県の代表とブロック推薦枠の最大58名が競う「一般の部」のほか、「女性の部」「高校生の部」の計3つの部門に分かれて2日間の日程で、技能競技などで“日本一”を決めるものです。これまでに隔年で計3回開催されており、第4回は2020年の開催を予定していましたが、残念ながらコロナ禍で延期を余儀なくされ、改めて今年11月30日・12月1日の2日間の日程で、横浜アリーナを舞台に開催を予定しています。

第4回電気工事技能競技全国大会ポスター
第4回電気工事技能競技全国大会ポスター

 こうした大会の開催を通じて、参加者や受賞者の各人が自分たちの技術力に自信をもつだけでなく、ひいては業界全体のレベルアップにつながっていくことを期待しています。

逆境の事業環境下で、業界団体として打開策を模索

 ──電気工事業界の事業環境は現在、どのような感じなのでしょうか。

 堀内 電気というのは、今の我々の生活環境のなかで、なくてはならない最大のインフラの1つです。そのため、今後も継続して需要が見込まれる業種であることは間違いありませんし、そういった意味では、業界としての将来性は高いと見ています。

 ただし現在は、コロナ禍や国際情勢の急激な変化、そして円安などを受けた資材高騰の影響が、電気工事業界においても直撃しています。たとえば、工事で使用する電線なども、ここ2年で約3倍の値段まで高騰しています。最近はニュースなどで、食品をはじめとしたさまざまな値上げが発表されていますが、電気工事の受注金額は変わりません。一方で、メーカーからは値上げを要請されるなど、電気工事業者の各社は板挟みの状況にあります。さらに、船便の大幅な遅延や半導体不足などの諸問題で資材が入らず、納期に追われるケースも発生しており、「目の前に仕事はあるのに、取るわけにはいかない」という状況も多々あります。こうした状況については、何とか打開策を見つけていきたいところですが、個々の事業者の力では、難しいのが現状です。

 樋口 たとえば、元経済再生担当大臣の西村康稔氏が会長を務め、片山さつき氏が幹事長を務める「自民党電気工事議員連盟」が約3年前にできました。そこで、全日電工連が電気工事士の免状申請要件の緩和についての陳情を行ったことがあります。その結果、第一種電気工事士となるために必要とされる実務経験の年数が、それまでの5年から3年に短縮され、第一種電気工事士の増加につながっています。

 このように、個々の事業者では難しいことでも、組合を通じて業界の総意として陳情を行うことで、状況を打破する糸口になることもあります。現在の厳しい事業環境についても、福岡県工組から全九電協へ、そして全日電工連へと意見を挙げていくことで、何とか改善の道を模索していきたいと思います。

【文・構成:坂田 憲治】


<プロフィール>
福岡県電気工事業工業組合 理事長
樋口 和宏
(ひぐち・かずひろ)
(株)ハッセイ 代表取締役
福岡県電気工事業工業組合 理事長 樋口 和宏 氏1958年5月、北九州市出身。西日本工業大学建築学科を中退後、79年10月に(株)八西電業社(現・(株)ハッセイ)に入社し、88年6月に同社専務取締役に就任。91年3月には(有)黒崎エンジニアの代表取締役も兼務。96年4月に(株)ハッセイの代表取締役に就任した。福岡県電気工事業工業組合・理事長のほか、(一社)全九州電気工事業協会・副会長、全日本電気工事業工業組合連合会・理事などの数々の要職も務める。

<プロフィール>
福岡県電気工事業工業組合 副理事長
堀内 重夫
(ほりうち・しげお)
(株)堀内電気 代表取締役
福岡県電気工事業工業組合 副理事長 堀内 重夫 氏1958年12月、福岡県大野城市出身。筑紫工業高等学校(現・筑紫台高等学校)を卒業後、地元の電気工事会社に就職。86年に堀内電気工事店を創業。97年に(株)堀内電気として法人化。2017年5月に福岡電気工事業協同組合副理事長、21年5月に同理事長に就任。福岡県電気工事業工業組合・副理事長も務める。


<INFORMATION>
福岡県電気工事業工業組合

理事長:樋口 和宏
所在地:福岡市中央区高砂1-18-14
設 立:1959年5月
TEL:092-523-7747
URL:http://www.fukuokakenkoso.com

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