2024年05月04日( 土 )

【コロナ禍で鍛錬、再武装(2)】有事の時こそ率先垂範 迅速な意思決定で未来を切り拓く(後)

記事を保存する

保存した記事はマイページからいつでも閲覧いただけます。

印刷
お問い合わせ
法人情報へ

アイ・ケイ・ケイホールディングス(株)
代表取締役会長兼社長CEO
金子 和斗志 氏

 アイ・ケイ・ケイホールディングス(株)は全国各地で婚礼施設を展開し、挙式・披露宴の企画・運営などを行うアイ・ケイ・ケイ(株)のほか、近年では新たに食品事業、結婚仲介事業、フォト事業を手がける新会社を設立し、業容を拡大している。同社代表取締役会長兼社長CEOの金子和斗志氏にコロナ禍や今後の展開などについて聞いた。

(聞き手:(株)データ・マックス 執行役員 鹿島 譲二)

日本三大名園「偕楽園」に結婚式場オープン

The 迎賓館 偕楽園 別邸イメージ
The 迎賓館 偕楽園 別邸イメージ

    ──来年4月に日本三大名園「偕楽園」で結婚式場をオープンされます。

 金子和斗志氏(以下、金子) 偕楽園は「水戸の宝」であるとともに「日本の宝」でもあります。「The 迎賓館 偕楽園 別邸」は、偕楽園の借景を楽しむことができる唯一無二の結婚式場で、テーマは「シンプルモダン」です。これまで当社が手がける式場はヨーロッパテイストのものが多かったのですが、日本三大名園である偕楽園のロケーションにマッチさせるべく、和のテイストもふんだんに取り入れるようにしています。

 コロナ禍もあって、茨城県からは「事情が事情なので、オープンが延期になっても構わない」と言っていただけたのですが、当社としては計画通りにオープンさせる旨をお伝えしています。茨城県の大井川和彦知事からは「ひるむことなく、果敢に挑戦していただき感謝しています」とのお言葉をいただきました。

 ──婚礼事業以外も積極的な事業展開を図っている印象があります。

studio clori.洋装スタジオ撮影プラン
studio clori.洋装スタジオ撮影プラン
studio clori.和装スタジオ撮影プラン
studio clori.和装スタジオ撮影プラン

    金子 昨年11月にフォト事業を手がけるAmbihone(アンビオーネ)(株)を設立しました。同社には国内外で数多くの受賞歴があるカメラマンやスタイリストが多数在籍しています。8月26日には大阪城公園内にウェディングフォトスタジオ「studio clori.」がオープンしました。来年1月~3月ごろには名古屋でもフォトスタジオをオープンさせる予定で、現在準備を進めております。

 Ambihoneと同じく、昨年11月に設立した結婚仲介業を手がけるララ・クゥール(株)では、当社の婚礼事業で経験を積んだプランナーがコンシェルジュとなって、結婚を考えておられる方々のサポートをマンツーマンで行います。現在、全国19支店に窓口を設けており、5万人の会員さんが在籍するプラットフォームに接続しています。オンラインでのお見合いも可能で、エリアをまたいでの婚活が可能です。

 ──食品事業も手がけていますね。

素材にこだわった極上バームクーヘン
「博多の森Premium生バーム」

    金子 20年10月に(株)明徳庵を設立しました。同社は19年10月に新設した食品事業部を分離した会社で、引出物・引菓子をメインに、ECサイト「万能日和」での販売を行っています。9月14日から27日の期間には博多マルイで期間限定ショップ「博多の森極上スイーツ『morinoiro』」を初出店しましたし、10月5日には大丸福岡天神店にも出店する予定です。

 ──経営者にとっての逆境の際に必要な心の持ち方は、どのようなものだとお考えでしょうか。

 金子 6年前に亡くなった当社創業者である母からかけられた言葉「生きていれば何とかなる」を常に意識するようにしています。私が事業を拡大した際、母はとても心配だったようで、この言葉をかけてくれたのです。体力面・精神面を健全に保ち、「生きて」さえいれば、困難にぶつかったとしても「何とかなる」ものです。そのうえで今やらなければならないことを確実にこなしていかなければなりません。

アイ・ケイ・ケイホールディングス(株) 代表取締役会長兼社長CEO 金子 和斗志 氏
アイ・ケイ・ケイホールディングス(株)
代表取締役会長兼社長CEO
金子 和斗志 氏

    コロナで売上が上がらないのであれば、借入やコストの削減をするし、次の事業展開を図るための準備もしなければなりません。また、コロナが終息して以前のように多くのお客さまがお見えになったときに、しっかりとした対応ができるよう、これまで同様、社員教育にも力を入れなければなりません。とくに今回のコロナのような有事の際、経営者は、スピード感をもち、物事を同時進行していかなければならないと感じています。

 私はコロナ禍になって「コロナに打ち勝ってみせる」という気持ちを強く持ちましたが、社員のなかにはネガティブな感情に支配されてしまう人も少なからずいます。そうした方々を鼓舞するためにも私が率先垂範して行動する必要があるのです。

(了)

【文・構成:新貝 竜也】


<COMPANY INFORMATION>
代 表 :金子 和斗志
所在地 :佐賀県伊万里市新天町722-5
福岡本部:福岡県糟屋郡志免町片峰3-6-5
設 立 :1995年11月
資本金 :3億5,165万円
売上高 :(21/10)115億3,017万円
URL :https://www.ikk-grp.jp(企業)
     https://www.bannobiyori.com
       (万能日和公式通販サイト)


<プロフィール>
金子 和斗志
(かねこ・かつし)
1952年3月生まれ。佐賀県伊万里市出身。74年10月に金子興業(株)(現・(株)アイ・エス)入社、81年12月に同社代表取締役社長就任。95年11月にアイ・ケイ・ケイ(株)設立、同社代表取締役社長。

(2)-(前)
(3)

関連記事